◇米国女子◇ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ◇レイクノナG&CC (フロリダ州)◇…

いつもはスロープレーに厳しいLPGAのルール委員だが…

◇米国女子◇ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ◇レイクノナG&CC (フロリダ州)◇6624yd(パー72)

今週の米国女子ツアー(LPGA)開幕戦は、過去2シーズンに優勝した選手39人と、セレブリティ44人の計83人がプレーするプロアマ大会だ。予選カットはなく、プロとアマの混合3サムでプレーする形式で、出場人数は通常の大会よりも少ない。

2日目のプレーを取材していると、古江彩佳モリヤ・ジュタヌガン(タイ)、セレブ枠のブランディ・チャステインさんの組がかなりスローペースになっていた。チャステインさんは女子サッカーの元アメリカ代表で、1999年の「女子ワールドカップ」で決勝ゴールを決め、ユニホームを引き裂いて喜んだ場面を覚えている人も多いことだろう。ゴルフの腕前はなかなかのものではあるのだが…どうやら今回、スロープレーの元凶になっていたようだ。

古江彩佳を除く2人は大苦戦

一打に臨むたびにキャディと念入りに相談し、しっかりと攻め方を練る。パットもライン読みから始まり、微妙な傾斜を確認するなどプロ顔負けの真剣さ。各ショットで時間をかけてしまっていたため、前の組と1ホール以上も空いてしまうほど遅れていた。通常のLPGA競技なら、ルール委員がやってきて即座に計測開始。場合によってはペナルティが科せられる状況だが、今大会では一向に計測される様子は見られなかった。

いつもはスロープレーにかなり厳しいLPGAのルール委員は、いったい何をしているのだろうか?そんな疑問が頭をよぎったとき、ルール委員らしき人物が乗ったカートに貼られた見慣れないステッカーが目に入った。

“セレブリティ・ルール”

カートにいたボビー・ホール氏に話を聞くと、「今大会は、通常のLPGAのルール委員が5人と、セレブ担当のルール委員が3人、働いています。私は普段はアラバマでクラブプロをしていますが、今回は人手が必要ということで呼ばれたんです」

セレブリティ担当として派遣されたルール委員

セレブ担当のルール委員を派遣していたとは驚きだ。ところで、セレブがスロープレーの原因になっていた場合、ペナルティは科されるのだろうか?

「ん~、科さないわけではないけれど、まだ科したことはない。セレブはギャラリーにサインしたり写真を撮ったりしてサービスしていますから、プレーが遅くなるのは仕方のない部分があります」との答え。一方で別のプロアマ大会では、グリーン上で練習をしたという理由で有名な元フットボール選手に2ペナを科したことがあるそうだ。

LPGAルール委員のスー・ウィッター氏

選手側のルールを担当しているのは、LPGAのベテランルール委員のスー・ウィッター氏。今大会のスロープレーの取り締まり具合を尋ねると「今大会はアマチュアがいますし、まあいつもよりは手心を加えて見ています」という。

元NFLのエミット・スミス氏(右)と元MLBのロジャー・クレメンス氏。ともに各界を代表するレジェンドだ

エミット・スミス(元NFL)やロジャー・クレメンス(元MLB)といった各界のレジェンドたちにペナルティを科すことは考えにくいし、ギャラリーも有名人見たさに試合にやってくるのだから、この対応も頷ける。ちなみに、スミスやクレメンスのプレーは非常に早かったことを書き留めておきたい。(JJ田辺カメラマン)

米ツアー72勝を誇るアニカ・ソレンスタムもセレブ枠で参加