馬トク報知で今年から始まった過去の名勝負を当時の記事中心に振り返る【競走伝】。今回はルージュバックが勝った2015年の…
馬トク報知で今年から始まった過去の名勝負を当時の記事中心に振り返る【競走伝】。今回はルージュバックが勝った2015年のきさらぎ賞を取り上げる。単勝1・7倍の支持を集め、2着に2馬身差をつける完勝。このレースを牝馬が勝利したのは1964年のフラミンゴ以来、51年ぶりだった。
残り150㍍。先頭に立ったルージュバックが歴史の扉を一気にこじ開けた。トップギアに入ると、良血牡馬たちとの差がどんどん広がっていく。ゴール前は戸崎が手綱を抑えても、最速の上がり34秒4をマーク。最後は2馬身差をつけ、64年のフラミンゴ以来となる牝馬のきさらぎ賞制覇を達成。無傷の3連勝でクラシックへ視界が大きく広がった。
右回り、長距離輸送を経験させるために選んだ一戦は十分な収穫があった。後方から直線一気で制した過去2戦とは違い、3番手で追走。スムーズに折り合い、センスの高さを見せつけた。「スタートの出が良くて最初は気が入ったが、落ち着いて走ってくれた。初めての京都でもどっしりしていた。今までと違う競馬を経験できて良かった。最後も手応え十分で、まだ反応があった。すばらしいパフォーマンス」。賛辞を並べる戸崎の表情が怪物ぶりを示していた。
満点の内容で手にした初タイトルに、大竹調教師は満足そうだった。「壁がない状態でも折り合っていた。気性が荒いところがあるが、それが競馬に出ていない。強い馬は『調教師要らず』というが、本当にそう」。ライバルたちが折り合いに課題を見せるなか、離れた3番手をスムーズに追走。ジョークまじりに愛馬を評価した。
良血馬が集った淀の決戦を制した怪物牝馬は当然、G1でも大活躍が期待された。しかし、1番人気に推された続く桜花賞は9着。オークスこそ2着に入ったが、キャリアの中で10度走ったG1での馬券圏内はこの1度のみ。古馬になってからもG2、G3で重賞3勝を積み重ねたものの、大舞台で最上級の輝きを放つことはなかった。
2017年の有馬記念(5着)を最後に現役を引退し、通算成績は18戦6勝。現在は繁殖入りし、第2子のフレーヴァード(牡6歳、父モーリス)が母と同じ大竹厩舎で3勝クラスを走っている。今後、母の思いを引き継ぎ、G1の大舞台をわかせるような「大物」の出現を期待したい。