またあの景色を見に行く。WBC2大会連続侍ジャパン入りのヤクルト中村悠平捕手(35)が連覇への思いを明かした。米国との決…
またあの景色を見に行く。WBC2大会連続侍ジャパン入りのヤクルト中村悠平捕手(35)が連覇への思いを明かした。米国との決勝でマスクをかぶり続けた前回大会の「胴上げ捕手」。沖縄・浦添での1軍の春季キャンプ第1クール2日目の2日、3年前を振り返った。今大会の発表済みメンバーでは野手最年長。臨時コーチとして参加予定のダルビッシュ、1学年上の菅野らとチームをまとめていく。
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中村悠は3年前のあの瞬間を頭に浮かべた。
「いまだに信じられない光景。キャッチャーって胴上げ捕手になると『すごいな』となるけど、それ以前に苦しいことがいっぱいある。ああいった場に自分がいると、『苦しんできて良かったな』と。いろんな挫折とか苦しさを乗り越えてのご褒美があそこにある」
23年3月21日、WBC決勝の米国戦。大谷の投じたウイニングボールをミットに納めた。世界一に輝いたことは「自分にとってもかけがえのない財産」。勝利を決めた場面の映像を見る度に前を向き、「これから先キャッチャーやっていると、苦しいこともたくさんあると思うけど、めげずにやる」と支えになっている。今回は大谷が登板できるか分からないが「直接会ったら『投げろ』と言おうかな、というぐらい投げてほしい。でも難しい(問題)ですね。目指すところは世界一。そこに向かって1つになれればいい」。一丸となってさらに財産を増やしたい。
メンバーに選ばれた3捕手で唯一、WBCの経験を持つ。一発勝負の大会。リードは「あまり冒険しない方がいい」と学んだ。特に感じたのは1次ラウンド韓国戦でダルビッシュと組んで、本塁打を打たれたシーンだ。「インコースのスライダーがベストかなと思ったけど、一発勝負はレギュラーシーズンと違う。ちょっと違ったなと思った。あれがあったから最後、準決勝、決勝とかでは生かせた。キャッチャー3人で力を合わせながらやれたらいい」。坂本、若月にも記憶を伝えていく。さらに「菊池雄星投手とか受けてみたい。いろんな話も聞きたい」と楽しみもある。
自らの責任を自覚する。「今回もダルビッシュさん来られますし、ピッチャーの菅野さんが先輩でいられる。いろんな意見を出し合いながら、1カ月はすごい短い期間なので、グラウンド内外でもチームを1つにまとめられるように、(発表済みの)野手の最年長としてできればいい」。
この日はブルペンで新人左腕の増居のボールを受けた。「半月しか沖縄にいられないので、新戦力の球はどんどん積極的に受けたい」。ヤクルトの正捕手の座、リーグ最下位からの巻き返しを目指して練習中。セ界一にも、世界一にも、貢献していく。【塚本光】
◆23年WBCの中村悠 全7試合のうち捕手で最多の5試合に出場し、4試合でスタメンマスクをかぶった。1次Rオーストラリア戦では、適時二塁打を含む3打数3安打1打点。安打はこの試合だけだったが、通算7打数3安打の打率4割2分9厘で、出塁率はチームトップの6割3分6厘と打撃でも貢献。決勝の米国戦ではフル出場して7投手をリードし、世界一の瞬間を味わった。
◆23年WBC決勝VTR 日本が米国に3-2と競り勝ち、3大会ぶり優勝を果たした。日本は2回に先制を許すも、裏の攻撃で村上が同点弾。さらにヌートバーの一ゴロの間に勝ち越した。4回には岡本和のソロ本塁打で追加点。日本投手陣は3回から無失点リレー。8回にダルビッシュがシュワバーに被弾して1点差に迫られるも、9回は大谷が2死からトラウトを三振に抑えて締めくくった。
◆23年WBC韓国戦VTR 1次ラウンドで対戦し、日本が13-4と大勝。先発ダルビッシュが3回に梁義智に先制2ランを浴びると、李政厚にも適時打を許して3失点。しかし裏の攻撃でヌートバー、近藤の連続適時打と吉田の2点適時打で一気に逆転。5回に近藤のソロ、6回には大谷、吉田、岡本和の適時打など一挙5点を挙げて突き放した。