◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 最終日(1日)◇トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)◇…
◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 最終日(1日)◇トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)◇7765yd(パー72)
45歳のジャスティン・ローズ(イングランド)をもってしても、大量リードは決して安心材料にならない。「ゴルフ場にいるときの方がやっぱり落ち着く」とコースをひとたび離れると、どこからともなくやってくる不安に襲われる。初日から首位を守る記録的なPGAツアー通算13勝目は、衰えない心身の強さの証になった。
6打差2位でティオフしたジョエル・ダーメンに代わり、序盤のうちに後続選手になったのは8打差3位から出た久常涼だった。3番(パー3)までに2バーディを決めた日本の23歳に対し、ローズのスコアカードにはパーが並んだ。
「展開によってプランAもプランBも用意していた」というベテランは、4番で3mのパーパットを決めると早くもガッツポーズ。主導権を渡さない。2オンに成功した6番(パー5)で最初のバーディを決め、8番(パー3)では久常にカラーからバーディを決められた直後、3mのチャンスを逃さずリードを守る。9番(パー5)で10mのバーディパットがカップに消え、再び7打差にしたところで一瞬、表情に安心感が浮かんだ。
本大会での完全優勝達成はトミー・ボルトが制した1955年以来、実に70年ぶり。36ホール(17アンダー)、54ホール(21アンダー)と大会最少ストロークを更新し、通算23アンダー「265」は1999年のタイガー・ウッズらの記録を1打塗り替えた。「かなり意識していた」という金字塔を打ち立て、「タイガー、見ていたらごめんね」と笑った。
自身の今季初戦だった前週の「ザ・アメリカンエキスプレス」では予選落ち。開幕2日前のインドアゴルフリーグ「TGL」出場による短い準備期間も影響した。翌週にさっそく2019年に優勝経験のあるコースで真価を発揮。「歴史的な最高の選手たち、ジャック・ニクラスやタイガー・ウッズ、そしてスコッティ・シェフラーは毎週のように素晴らしいプレーをする。今週は私もそうできたと思う」と終始スキのない4日間を自賛した。
40代半ばを迎えても、パワーは健在でパッティングにも磨きがかかる。キャリアのピークについて「最高の期間は2017年の半ばから2018年の初めだったと思う。19年にここでプレーしたときは世界ランク1位だった」と緩やかな下降線にいることを認めつつ、まだ終わる気はない。「こういったプレーは自分の中にまだある力を証明してくれる。回数をどう増やすかが問題だけど、すごく自信に繋がる。必ずしも、もっと努力が必要だとは思わない。うまく行かない週があっても、とにかく忍耐強くいるべきだ」。穏やかな口調には、力強さもみなぎっていた。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/桂川洋一)