◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 最終日(1日)◇トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)◇…
◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 最終日(1日)◇トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)◇7765yd(パー72)
23歳の久常涼にとって、45歳のジャスティン・ローズ(イングランド)は幼い頃からテレビの中のスターだった。大好きな選手のひとりと、PGAツアーの最終組で回れる最終日。英会話でコミュニケーションを取れるにも関わらず、「絶対に話しかけない」と決めていた。
3日目を終えて8打差をつけられても、「早くプレッシャーをかけなければいけない立場だった」と3位スタートからの奇跡を疑わなかった。あえて会話を避け、あこがれを捨ててプレーに集中して出だし3ホールで2バーディを奪った。好調なショットを生かし、6番(パー5)と8番(パー3)では3m、4mのチャンスをものにした。
前週「ザ・アメリカンエキスプレス」でのグリーン上の苦戦プレーがウソのよう。改善の裏には懸命な取り組みがあった。大会開幕前、コリン・モリカワやシェーン・ローリー(アイルランド)らの指導経験があるパッティング専門コーチ、ステファン・スウィーニー氏のレッスンを受講。「アライメントを直してもらったくらいですけど、やってきた下積みの再確認ができたのが良かったのかなと。自分がやっていることが間違っていないと思えた」と技術面の向上はもちろん、自信回復にも繋がった。
後半にかけてローズがスキのないプレーを見せた一方で、久常はスイングが崩れていることを把握しながら球を必死に運んだ。16番(パー3)から2連続ボギーをたたき、4位で迎えた最終18番(パー5)の3打目はバンカーからなんとかピンそば3mへ。下りのフック→スライスのスネークラインに丁寧にのせたバーディパットがカップに消えると、長い戦いをガッツポーズで締めくくった。
6バーディ、3ボギーの「69」で通算16アンダー。最後の一打で2024年「ウィンダム選手権」での3位を更新するツアー自己最高の2位に入った。過去2シーズンでシードをキープしても、トップ10入りは昨年5月の「チャールズ・シュワブチャレンジ」以来。「良い結果がずっと出ていなかった中で、自分の状態が良い時に良いプレーができた。まあ、ひとりだけ(首位で)抜けていたのが、逆に良かったのかなと思います」と結果を謙虚に振り返る。
2週後のシグニチャーイベント「AT&Tペブルビーチプロアマ」(カリフォルニア州ペブルビーチGL)の出場権を争いでは、5枠のうち2位に浮上した。次週「WMフェニックスオープン」(アリゾナ州TPCスコッツデール)の活躍次第で、少数精鋭による予選落ちのない昇格大会の今季初戦に出られる。
悠然と逃げ切ったローズと18番グリーンで緊張感を解いて握手を交わした。「きょうは良いゴルフだった。良いパットが決まっていた」。そう目を見てかけられた言葉こそ、何物にも代えがたいご褒美だ。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/桂川洋一)