キャンプ初日にブルペン一番乗り…18球に込めた意味 今季から楽天に加入した前田健太投手が1日、投手陣一番乗りでブルペン入…

キャンプ初日にブルペン一番乗り…18球に込めた意味

 今季から楽天に加入した前田健太投手が1日、投手陣一番乗りでブルペン入り。背番号と同じ18球を投げ込んだ。後方では三木肇監督がその様子を見守り、この日に合わせてきた順調な調整具合を評価。それ以上に「うれしかった」と絶賛したのが前田が練習中やグラウンド外で見せるチームに溶け込もうとする姿勢だった。

「次、ツーシームいきます!」。1球ごとに受けるブルペン捕手に球種、コース、高さなどを指定しながらテンポ良く勢いのあるボールをそのミットに投げ込んだ。

「まず初日いいスタートが切れたので、これからもこの状態を上げながら自分というものをアピールして、たくさん見せられるように調整していきたいと思います。そこまで球数を投げる予定はなかったので、だったら『18』でいいのかなと。今後は自分でプランを決めながらもう少し球数を投げていきます」

 こうキャンプ初日を振り返った前田は、ブルペン一番乗りについても「一番に入ることに何のこだわりもないので、たまたまですね。行ったら一人だったのでいい感じではありました。監督が後ろにいたので、ちゃんと(ブルペンの)真ん中を選んで投げましたよ(笑)。監督のいないところで投げたら避けているみたいじゃないですか」と笑顔で言及。カープ時代にも1度しかなかったという、キャンプ初日のブルペン入りを振り返った。

 しかし、会見の後半では「(初日は)特別ですし、しっかりいいスタートが切れるように。新しいチームで自分というものをアピールするために初日に入らないといけないかなと思って入りました。あとは今年、オリンピックもありますしWBCもあるので、記者の方が(徐々に)減っていくと思うので。早めに入っておいた方がいいかなという判断です」と、常にユーモアを忘れず、この日のブルペン入りが自分なりの意図を持った決意表明であったことを説明した。

 もちろん、この意気込みは見守った三木監督にも伝わっていた。指揮官は「たまたまケンタが先頭だっただけですけど、しっかり自主トレで調整してきている感じでした。今日も彼にしか分からない信条と気持ちがあったと思う。でもいい感じで投げていたのでこれからしっかり調整してくれたらいい」と満足顔。投げ終わりの2人の会話については「頑張ってと言っただけ」と内容は明かさなかった。

投球後はブルペンに居残り…他の若手投手のブルペン投球に熱視線

 そして、ブルペンで見せた姿勢以上に指揮官が評価していたのが、チームメートに対する振る舞いだった。アップやキャッチボール、トレーニングの間は絶えず若手投手陣と笑顔で絡み、コミュニケーションを忘れない。そして、この日のブルペン投球後にはそのまま居残り、他の投手の投球練習を食い入るように見守る前田の姿があった。

 これに三木監督は「明るくみんなと積極的にコミュニケーションを取る姿も見えた。見た感じではあれだけの選手だから、若手が自分からなかなか(近寄っていけない)。でも彼の良さなのか、みんなに積極的に寄って行って話しかけてくれたりしていた。自分が終わった後もブルペンに残って他のピッチャーの姿を見ていたりだとかさ。なんかすごくいい部分が見えた。すごく良かったし、うれしかったですね」。ブルペン後に思わず見せてくれた前田の振る舞いに投手リーダーの自覚を感じ取ったようだ。

 前田はその意図について「まだまだイーグルスの投手について知らないことが、たくさんある。僕もニュースとか映像でしか見たことがないので、実際に見てどういうピッチャーなのかなというのを知りたいという思いで見ていました」と説明。続けて「これから投手陣といろいろ野球の話になったりすると思うので、その時にその投手のことを知っていなかったり、見ていなければ話もできないと思う。これから投手陣のことをもっともっと知っていきたいと思っているので見ていました」と明確な狙いを語った。

 11年ぶりに日本球界に復帰した「楽天・前田健太」が、東北にどんな旋風を巻き起こしてくれるのか楽しみになってきた。(伊藤順一 / Junichi Ito)