<最強日本フィギュア>(6)6日開幕のミラノ・コルティナ・オリンピック(五輪)まで2日であと4日となった。フィギュアスケ…

<最強日本フィギュア>(6)

6日開幕のミラノ・コルティナ・オリンピック(五輪)まで2日であと4日となった。フィギュアスケート日本代表は22年北京大会で獲得した過去最多メダル4個(銀2、銅2)を上回り、最大7個が視野に入る布陣となっている。「最強日本フィギュア」と題し、開幕日まで10日連続で代表選手の素顔を紹介。第6回は、ペアで初出場の「ゆなすみ」こと長岡柚奈(20)森口澄士(24)組(木下アカデミー)の歩みに迫る。【取材・構成=藤塚大輔】

★動機

北海道で生まれ育った長岡は、5歳で自宅近くの円山競技場を訪れたことでスケートに触れた。冬場は1周200メートルの屋外リンクとなる場に家族で遊びに訪れ「がむしゃらに滑るのが楽しかった」。小1から本格的に始めた。京都出身の森口がフィギュアに触れたのは小3。先に教室へ入っていた姉と一緒に京都アクアリーナで滑り「お姉ちゃんがうまかったのが悔しかった」と、その背中を追った。小5までサッカーも並行したが、GKを任された雨の試合が転機に。「飛び込んだ時に顔がドロドロになったのが嫌で辞めた」とスケートに絞った。

★急成長

結成3季目の今季からロシア出身のサビン・コーチに師事し、ジャンプやリフトなど技ごとの練習時間を増やした。昨年9月の五輪最終予選で3位となり、日本初のペア2組派遣を実現。同年末の全日本選手権では国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、昨季世界選手権銅メダル相当の合計215・30点で制した。自己ベストは昨季から約40点もアップ。初五輪の目標には入賞(8位以内)を掲げつつ、森口は「メダルも目指せる。この状況を楽しまないともったいない」と、表彰台争いに食い込む覚悟も示している。

★武器

森口が長岡を持ち上げながら滑るリフト。結成1季目を終えた24年初頭から「2人で信じられない技を作ろう」と、22年北京五輪の全ペアを動画で研究しながら磨いてきた。2戦連続4位だった昨秋のGPシリーズではSP、フリーで計4度組み込むリフトの得点が両試合で全体トップ。森口は「僕は足運びであまり音がしない」と強みを説明。森口の安定した動きはSNSで「森口運送」と呼ばれており「光栄です」とにっこり。長岡も「リンクの端から端まで勢いよく運んでくれて加点をもらえている」と信頼を寄せる。

★転換点

昨年3月の米ボストンでの世界選手権がターニングポイントとなった。SP上位20人によるフリーへ進めばミラノ五輪の出場枠獲得となる中、SP22位で条件を満たせず。自身のミスに責任を感じた長岡は「迷惑ばかりかけている。もう辞める」と現地で解散を申し出た。森口は3日がかりで引き留め「僕は柚奈ちゃんとしかペアをやらない」と説得。その言葉に長岡は「私が中途半端に諦めて、この2年を無駄に過ごしたと思わせたくない」と思いとどまり、ラストチャンスだった同9月の五輪最終予選で切符をつかんだ。

★性格

今年の初詣のおみくじは2人とも末吉だったが、そろって納得がいかず引き直した。森口は2度目も末吉だったが、3度目で大吉を引き「(番号も)1番。良いことばっかり書いてあった」とようやく満足。一方の長岡は2度目で吉が出て「それ以上は望まなくていい」といったんは受け入れたが、後日再びおみくじを引く機会があり、3度目はまたも末吉。やはり引き直し、4度目で再び吉が出た。互いの性格について「負けず嫌い」と声をそろえる2人は、新年の運試しから素顔をのぞかせた。

◆長岡柚奈(ながおか・ゆな)2005年(平17)7月13日、北海道・洞爺湖町生まれ。物心ついた頃から札幌市で育つ。シングルは22年全日本ジュニア選手権23位。23年に森口とペア結成。25年冬季アジア大会銅、世界選手権22位。特技はテトリス。157センチ。

◆森口澄士(もりぐち・すみただ)2001年(平13)12月29日、京都市生まれ。22年全日本選手権シングル7位。20年からシングルとペアの“二刀流”で活躍。長岡と組んだ23年からペア専念。特技は苦手なマヨネーズを瞬時に察知すること。175センチ。