<カープ番コラム>キャンプ初日の注目点のひとつだった。「しっかりオフに練習してきたかどうかを見たい」。練習前の広島新井貴…
<カープ番コラム>
キャンプ初日の注目点のひとつだった。「しっかりオフに練習してきたかどうかを見たい」。練習前の広島新井貴浩監督(48)の言葉だが、記者は2年目の外国人選手エレフリス・モンテロ内野手(27)にその言葉を重ねた。
来日1年目は開幕直後の左脇腹痛による離脱もあり、105試合で打率2割5分5厘、9本塁打、41打点に終わった。期待された長打力を発揮できたとは言い難い。そんなシーズン終盤の9月24日、新井監督が休日返上でモンテロに直接指導した。首が右肩側に傾くことで上体が前かがみになり、捉えたと思ってもドライブしたように失速する打球が多くみられた。「首が折れたら軸がなくなって、球に対して力がなくなってしまう。持っている力の半分も伝わっていない」。身ぶり手ぶりも交えながら、的確に改善点を伝えた。
入団前から気になっていた癖ではあったが、シーズン終盤まで言わなかった。なぜか。「言うことによってグチャグチャになって、全然ダメになる可能性があったので、言いたくても言ってなかった。彼は来日1年目で勝負だと思っているから、自分の持っているものでは勝負させたかったのもある」。過去の外国人選手をさかのぼっても、シーズン中盤までに打撃改造を進言されて感情をあわらにした選手がいた。モンテロはメジャー出場205試合。ファビアンよりも米国での実績はある。明るいキャラクターだが、そこに対するプライドは何げない言葉の中にも感じられた。
何より国籍問わず、納得した上で取り組まなければ、より打撃を崩すリスクもある。契約更新がほぼ決まった状況に加え、モンテロの性格と姿勢が新井監督を動かしたのだ。
直接指導から130日。ランチ特打に登場したモンテロは、バットを担ぐように背中を反らし、構えた。上体を正した姿勢を意識し、そのままの姿勢を維持したまま強振-。まさに新井監督の教えそのものだ。「監督から言われたことをドミニカでもやってきた。今はまだ100%ではないけど、自然にできるように意識している」。オフにしっかり練習してきたことをスイングで証明した。
ブルペンを視察していた新井監督は、ランチ特打を見ることはできなかった。それでも「彼は勤勉だからね。しっかり意識していたし、昨年とは違うものが見えたと聞いている」と目に見える変化を喜んだ。モンテロは「今年はケガなくできれば、長打でチームに貢献できる」と大きな胸を張る。現有戦力を見ても、長打力を持つ大砲タイプは少ない。2年目の覚醒は、チームの浮沈を左右する。【広島担当 前原淳】