スノーボード・ハーフパイプ男子の平野流佳(るか、23)=INPEX=は、前回2022年北京大会の3本の試技で転倒した悔…
スノーボード・ハーフパイプ男子の平野流佳(るか、23)=INPEX=は、前回2022年北京大会の3本の試技で転倒した悔しさを胸に、2度目の五輪舞台に立つ。大阪・太成学院大時代の同級生でプロ野球・千葉ロッテから7位指名を受けて入団した田中大聖(やまと)投手(24)からは「活躍をどこからでも見ている」と直球エールをもらった。北京大会の平野歩夢(27)=TOKIOインカラミ=に続く同種目の日本勢2人目の五輪王者を目指す。(取材・構成=宮下 京香)
* * * *
20年春に同じ大学に入学した2人の有望株。スキー部に入った平野流は、野球部の田中とクラスメートになった。田中は平野流について「パッと見たら小柄だし、性格もおとなしい子。本当に世界大会で活躍している人なのかな?と思うほど」と初対面の印象を語る。雪上ではダイナミックな高回転トリックで魅了するが、素顔は人見知り。ただ、田中とは1年時から授業で一緒になり、自然と距離は縮まったという。
ともに身体能力が高く、体育では注目の的だった。「大聖はバケモン」と平野流が明かすのはボール投げ。自身は不得意で20メートル程しか飛ばなかったが、剛腕・田中は体育館で向かいの壁の一番上まで軽々と放り「スポーツテストで計測不能(笑)。体もでかいし、投げたらやっぱ違うと思った」。田中も「いやいや…流佳なんてバック宙してたやん」と互いに次元の違う才能に驚いた。
2年の冬に平野流が北京五輪に初出場。学内でのパブリックビューイングで応援した田中は「普段は明るいけど、はしゃぐタイプではないので、(予選の)ガッツポーズには驚いた。やっぱり大舞台で戦っている姿は、格好いいなと思って見ていました」と大いに刺激を受けた。
昨年10月、田中にとって運命のプロ野球・ドラフト会議。千葉ロッテから7位で指名され、夢に見たプロへの道が開かれた。スマホで逐一、情報を確認していた平野流も「おめでとう!」と真っ先に連絡し「スノーボードは(国内で)マイナーだけど、野球は競技人口がうん万といる。競争率を考えたら大聖の方がすごい」。卒業から約2年たった今でもトップを目指すアスリート同士で高め合える存在だ。
北京五輪の決勝では表彰台に挑んだが、3本の試技全てで転倒があって12位だった平野流。雪辱の舞台へ「3コケは絶対にしない。攻めて1位を狙っていきたい」と闘志を燃やした。プロ野球選手としての人生を歩み出した田中も「僕はプロの世界にやっと入ったところで、まだまだ流佳の足元にも及ばないけど、同級生として誇りに思っている。僕もそう思ってもらえるように、足元にしがみついて頑張りたい。流佳の活躍はどこからでも見ている。ミラノで頑張ってほしい」。田中の直球エールを胸に、平野流は夢舞台で輝きを放つ。
◆平野 流佳(ひらの・るか)2002年3月12日、大阪府生まれ。23歳。大阪・昇陽高―太成学院大出身。両親の影響でスノーボードを始め、W杯は18―19年シーズンから参戦。19年世界ジュニア選手権、20年ユース五輪優勝。22年北京五輪12位。25年世界選手権2位。162センチ。