阪神の春季沖縄キャンプが1日、「バイトするならエントリー宜野座スタジアム」とうるま市の「具志川野球場」でスタートした。主…

阪神の春季沖縄キャンプが1日、「バイトするならエントリー宜野座スタジアム」とうるま市の「具志川野球場」でスタートした。主力中心の宜野座組では、侍ジャパンの佐藤輝明内野手(26)が豪快なフリー打撃を披露。口ひげもさっぱりそった昨季本塁打&打点の2冠が、46スイングで3連発を含む8本の柵越えで怪力健在を示した。同じく侍ジャパンの森下翔太外野手(25)も41振で10本の柵越え披露。上々仕上げのアイブラック兄弟が世界一からのセ界一へ全力を尽くす。

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心身ともに佐藤はスッキリしていた。昨オフまで口上に蓄えていたひげはない。「ばあちゃんに『そった方がかっこいい』って言われたので」と照れ笑いした。キャンプイン前日の1月31日に大トリで契約更改会見。放つ放物線も美しくシャープだった。

12球団が一斉にキャンプインしたこの日、昼下がりの宜野座で虎党の視線を独占した。ルーキーイヤーから数えきれないほど左翼、中堅、右翼に打球を放り込んできたが、規格外の怪力は6年目も変わらなかった。フリー打撃46スイングし、3連発を含む8本の柵越えをマーク。「確認しながらですね、全部」。フルパワーでなくともフェンスを越せる天性のアーチストは、推定130メートルの特大弾もかっ飛ばした。

「風もあるし一概には言えないんですけど、まあ1日目にしてはいいかなと思います」。公の場でフリー打撃を披露するのは今年初めてだったが本人も手応十分。昨季本塁打、打点の2冠が、頼もしい姿を宜野座のファンに見せつけた。

体重を100キロに乗せた増量で破壊力も増した。「変わってるんじゃないですか。自主トレからやってきたし。まあそこは大丈夫かな」と威力を増した弾道に胸を張る。今オフの改善点は「全部変えてます。言い出したらキリがないので。去年と全く一緒っていうのはない。毎年変えています」とキッパリ言った。

14日から侍ジャパンの一員として宮崎合宿に参加する。WBCは念願の初出場。「しっかりそこに合わせて調整できればと思ってます」。日本代表経験は過去にもあるが、まだ本塁打は出ていない。年々進化する背番号8に、今年は初アーチの期待がグンと高まる。

心優しい一面も見せた。この日は新外国人、キャム・ディベイニー内野手(28=パイレーツ)とキャッチボールのペアを組んだ。ディベイニーは「佐藤選手の方から誘ってくれました」と感謝。佐藤は「余り物同士です。2人ともいなかったんで」と謙遜したが、三遊間を組む可能性がある新加入選手を初日から気にかけた。

今季の究極目標は世界一からセ界一、そして日本一。沖縄から上々の好スタートを切った。【只松憲】

○…佐藤がスコアボードなどに表記される名前について「佐藤輝」継続を希望した。佐藤蓮の退団で今季からチームの佐藤性は1人だけ。ルーキーイヤーから5年間「佐藤輝」だったが「そのままでいいんじゃないですか。別に変える必要ないかなと思って」と、浸透している3文字表記で臨みたい考えを明かした。

【佐藤のキャンプ初日】

◆21年 1年目から宜野座組スタートで、フリー打撃では89スイングで9本の柵越え。135メートルのバックスクリーン弾も放つなど、4球団競合の実力を示した。くじを引き当てた矢野監督も「見ていて楽しみな選手」とうなった。

◆22年 初日から約8時間の猛練習。全体練習のフリー打撃で82スイング、個別練習で156スイングと振り込み、柵越えは計6本。前日の1月31日に矢野監督が今季限りで退任する意向を明かし、「監督をおとこにできるように」と決意をにじませた。

◆23年 バッティングを試行錯誤し、フリー打撃は63スイングで柵越え0。打撃マシンを相手にバットを折るシーンもあった。打撃ケージの後ろで見守った岡田監督は「前にするだけよ」とボールをとらえるポイントを課題に挙げた。

◆24年 エラー撲滅へ鬼ノックにまみれた。シートノックのほか、個別で約40分間の特守を受けた。三塁でヘトヘトになるまで白球を追いかけた。フリー打撃では77スイングし、5本の柵越えを披露。オフは米シアトルで武者修行しており「バッティングが分かってきた」と胸を張った。

◆25年 早出練習に参加し、1人ダッシュから黙々と汗を流した。フリー打撃では43スイング中4本の柵越えを披露。藤川監督が見守る中、大山と特守にも励んだ。「出し切りました。疲れました」と充実感をにじませた。