日本ハム新庄剛志監督(54)がキャンプ初日からさすがの観察眼を発揮した。1日、沖縄・名護でブルペン入りしたWBC日本代表…
日本ハム新庄剛志監督(54)がキャンプ初日からさすがの観察眼を発揮した。1日、沖縄・名護でブルペン入りしたWBC日本代表の北山亘基投手(26)の投球をチェック。セットポジションでの癖を見抜いて、すぐに修正ポイントとして本人に伝えた。昨季までも至るところに着目して、敵味方関係なく違和感をみつけてきた“癖見抜きの達人”。就任5年目の球春到来とともに早速、本領を発揮した。
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新庄監督はブルペンでじっと見ていた。陣取ったのは投手の後ろ側。視線の先には3月のWBCに出場する侍ジャパンのメンバーに選出された北山がいた。そこで何かに気付いた。35球で投球練習を終えた北山が、捕手の清水と話していた時にマウンド方面へ手招き。そこで身ぶり手ぶりのアドバイスが始まった。
新庄監督は、セットポジション時にボールを手にしている右腕の動きについて「ここはちょっと気にした方がいいよ」と熱弁を振るっていた。北山によると「真っすぐと変化球の時の無意識の癖というか、セットに入った時のしぐさでちょっと差があった」という指摘だったという。
わずかな違いで球種がバレるのが最高峰の世界。現役時代から、そういった癖を見抜くことが得意だった新庄監督だからこそ、今季初めて生チェックした35球だけで北山の癖が出ていることに気付けた。だから、すぐさま本人に伝えた。その場でセットポジションの動作をさせて、違いを意識させた。
北山自身も昨季から把握していた癖ではあった。この日は打者も立っていない中での投球で、そこまでの意識を置いていなかった部分もあるが、見逃さずに助言をもらったことに感謝した。「あらためて再確認させてもらえたので、すごくありがたいアドバイスをいただきました。たぶん今日も、そういうところを後ろで見てくれてたのかもしれないです。球筋も見てると思うんですけど、バッター目線で何か抜け目がないかなっていう気持ちで見てくださった上でアドバイスをくれたのかなと思ってます」。しっかり修正して、世界との戦いへ向かうつもりだ。
ブルペンでは他にも現役ドラフトで巨人から新加入した菊地に、直球の握りについて人さし指と中指をくっつけるようにアドバイスを送る場面もあった。もちろん野手陣の動きも、しっかりとチェック。気付いたことや感じたことを直に伝えて成長を促す。この日は取材対応がなく、キャンプインについてのコメントは発せず。それでも就任5年目の春季キャンプも存在感たっぷりの始動となった。【木下大輔】
◆日本ハム新庄監督の観察眼 ちょっとした変化を見抜いて、選手にピンポイントで助言を送ることが多い。例えば昨年5月27日の敵地ソフトバンク戦。5回に清宮幸が先制4号ソロを放った。その試合後に福岡出身の指揮官は博多弁で「『タイミングが遅かろうが』って(笑い)。『少し早くタイミング取らんか』って言うたとですよ」と明かした。悪癖を見抜き、即座に効果的なアドバイスを送って結果を出させた。その観察眼は選手だけに向けられているわけではない。オリックス岸田監督の癖は「スクイズのサイン出す時はガムをかむのが早くなる。伝え終わったら、ゆっくりになる」「あと焦っている時はこうちょっと(腕組みの腕の位置が)上になってしまう」など、相手ベンチの動きにも敏感に反応し、采配の参考にもしている。現役時代も04年の球宴第2戦で決めた史上初の単独ホームスチールも、阪神福原-矢野のバッテリーの癖を分かっていたから。矢野は2度三塁走者をけん制したら投手へボールを返し、福原は短い距離はフワッとしたボールしか投げられない-。そのタイミングを狙って成功させた。いまだにその観察眼は衰えがない。