昨秋関東大会準々決勝で専大松戸に惜敗「もう選抜出場は無いと…」 第98回選抜高校野球大会(3月19日開幕=甲子園球場)の…
昨秋関東大会準々決勝で専大松戸に惜敗「もう選抜出場は無いと…」
第98回選抜高校野球大会(3月19日開幕=甲子園球場)の出場校を決める選考委員会が30日に行われ、昨年優勝の横浜(神奈川)が2年連続18回目の出場を決めた。昨秋の関東大会の準々決勝で敗退し、選出されるかどうかは当落線上だったが、6校が選出された関東・東京地区で“最後の1枠”に滑り込んだ。39歳の村田浩明監督は思わず、感激の涙を流した。
甲子園常連校の指揮官というイメージからすれば、少し意外な姿だった。横浜市内の硬式野球部専用グラウンドで練習中に、葛蔵造(かつら・くらぞう)学校長から“吉報”を受け取った村田監督は選手たちを集めた。円陣の真ん中で指揮官は、声を震わせ涙を流しながら「思いが届いたということだな……よかった……おめでとう」と言葉を絞り出した。
神奈川県内の県立高校野球部監督を経て2020年4月、母校である全国きっての名門校の監督に就任した。昨年は春の選抜で日本一を達成し、夏の甲子園でもベスト8入り。ところが、1年生の頃から手塩にかけて育ててきた最速154キロ右腕・織田翔希投手(2年)が満を持してエースの座に就いた昨年10月、秋季関東大会の準々決勝で専大松戸(千葉)に惜敗し、選抜出場は微妙な状況となっていた。
村田監督は「選抜の優勝旗をみんなで返しにいくと決めて挑んだ昨秋でしたが、コンディションを含めて全然うまくいかず、自分自身の指導力不足を痛感しました」と振り返る。
「負けてからは、もう選抜出場は無いだろうと思いつつ、選ばれることを信じてやろうと。そうすれば選ばれなかったとしても次につながるだろうという思いで、選手たちは、僕が横浜高校の指揮を執るようになってから一番練習したかなと思うくらい練習してきました」とナインを称えた。続けて「今日、厳しい練習を乗り越えてきてくれた選手たちの逞しさの宿った目を見た時、うるっときてしまいました。泣く予定なんて全くなかったのですが、それくらい選手たちはよくやってくれて、だからこそ甲子園の女神様に呼んでもらえたのだと思います」と吐露した。
DH制導入も追い風「ありがたいと思っています」
もともと、織田の他にも主将の小野舜友内野手(2年)、強肩遊撃手の池田聖摩内野手(2年)、高崎商大付(群馬)との昨秋関東大会1回戦で2本塁打を放った川上慧内野手(1年)らタレントが揃い、戦力的には当落選上から一気に選抜連覇に駆け上がってもおかしくないと見られていた。
村田監督も「選手たちは本当に厳しい練習を乗り越えてきてくれましたし、紅白戦にも凄く緊張感がありました。もし(選抜に)選んでいただいた場合には、結構やれるのではないかと思わせるくらいでした。楽しみしかないです」と自信をにじませる。
今年からDH制が高校野球に導入されることも“追い風”になりそうだ。指揮官は「DH制はすごくありがたいと思っています」とうなずく。「投手にとって“投げて、打って”は厳しい。織田に関しては、せっかく打撃が良くなってきたところではありますが、まだまだ体力がつき切っていませんし、夏も大事にしていかないといけない。怪我のリスクを減らしたいと考えています」と説明した。
敗戦を糧にひと回り成長を遂げたことを“聖地”で実証するつもりだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)