アルカラス、右内転筋の異変を乗り越えた「不屈の信念」 1月30日、「全豪オープ…
アルカラス、右内転筋の異変を乗り越えた「不屈の信念」
1月30日、「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/ハードコート)男子シングルス準決勝が行われ、第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク1位)が、第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同3位)を6-4,7-6(5),6-7(3),6-7(4),7-5で下した。5時間27分の歴史的マラソンマッチを制し、史上最年少での「生涯グランドスラム」達成に王手をかけた。
【動画】アルカラス ズベレフとの死闘を制して生涯グランドスラムに王手 準決勝ハイライト
今大会失セット0と完璧な勝ち上がりを見せていたアルカラスだったが、第3セットの4-4、自身のサービスゲーム中に予期せぬアクシデントが襲った。
フォアハンド側に走った際、右内転筋に違和感を覚えたアルカラスは、即座にフィジオを要請。「最初は痙攣(けいれん)だとは思わなかった。右の内転筋に異変を感じたから、すぐにフィジオを呼んで状況を確認してもらった」と会見で明かした。
治療後も痛みは増し、一時はセットカウント2-2、最終セットも3-5と崖っぷちまで追い込まれた。しかし、22歳の王者はそこから驚異的な逆転劇を見せた。勝利の瞬間は、力強いガッツポーズでもなく、咆哮を上げるわけでもない。普段喜びを露わにするアルカラスが静かにコートに跪いて大の字で横たわり、勝利を噛み締めた。
アルカラスは自身の哲学を力強く語る。
「若い頃は諦めてしまう試合もあった。でも今は、戦い抜かなかった後に『もっとやれたはずだ』と考えるだけで、自分が殺されるほど嫌なんだ。一秒長く苦しみ、一秒長く戦うことには、常に価値がある。だから最後の一球まで戦い抜くし、どんな状況でも逆転できると信じている」
この勝利により、アルカラスはオープン化以降、全てのグランドスラムで決勝進出した史上最年少の男子選手(22歳)となった。
日曜日の決勝で勝利すれば、同胞のラファエル・ナダルが持つ24歳という記録を大幅に更新し、22歳での「生涯グランドスラム」が完結する。「他の3つのグランドスラムですべて勝つよりも、今回の全豪でこの記録を達成することを選びたい」と語るほど、このタイトルへの執念は凄まじい。
運命の決勝で対戦するのは、準決勝で2023年からグランドスラム・タイトルを分け合ったヤニック・シナー(イタリア/同2位)ではなく、全豪11度目の優勝と史上最多25度目のグランドスラム制覇を狙うノバク・ジョコビッチ(セルビア/同4位)に決定した。
5時間半の死闘を終えたアルカラスの体は満身創痍だ。「アイスバスやあらゆる治療を行い、決勝に向けてできることはすべてやる」と宣言。アドレナリンと闘いながら、中1日での完全回復を目指す。
テニス界の歴史を塗り替える22歳の挑戦者と38歳のレジェンドによる世紀の決戦。日曜日のメルボルンで、新たな伝説が刻まれる。