「選抜高校野球・選考委員会」(30日、大阪市内) 第98回選抜高校野球大会(3月6日抽選、同19日開幕・甲子園)の選考…
「選抜高校野球・選考委員会」(30日、大阪市内)
第98回選抜高校野球大会(3月6日抽選、同19日開幕・甲子園)の選考委員会が30日、大阪市内で開かれ、元阪神の麦倉洋一監督(54)が率いる佐野日大が12年ぶり5度目の出場を果たした。監督就任後の甲子園出場は初めてで、現役時代にプロ初先発初勝利した聖地への“凱旋”に、これまでを振り返りながら喜びを語った。センバツVへ、守り勝つ佐野日大野球で監督として聖地初勝利を目指す。
思い入れ深い聖地に凱旋する。麦倉監督は選抜出場を承認する拍手を受け、目尻を下げた。自身にとってはいい記憶も苦い記憶も詰まった甲子園。指揮官として、初めて足を踏み入れる特別な場所へ思いをはせた。
「自分の中では一番…うれしさがこみ上げるというのがありますね」
麦倉監督は佐野日大時代の89年に、夏の甲子園に出場。先発した1回戦では両軍無得点の九回に左翼へソロ弾を放ったが、その裏に2死から11球連続ボールと苦しんだ。最後まで投げきって完封したものの「そこだけ鮮明に覚えていて、(夏の甲子園では)いいことは覚えていない」と振り返る。優勝でのリベンジを描きながらも「普通の感情では試合をできない場所なので、乱れていい経験をして。この先、甲子園で『あれだけ頑張ったんだ』っていう人生を送ってもらいたい。まずはそこが一番」と選手らを思いやった。
甲子園は89年度ドラフト3位で阪神に入団し、91年5月6日・大洋戦でプロ初先発初勝利を果たした場所でもある。「プロの中では一番印象に残っている」。通算12試合で2勝4敗と、ケガに苦しみながら汗を流した。「若者からしてもお年寄りからしても甲子園っていう場所は野球の聖地」と強い思いを口にした。
自身が感じた素晴らしい経験を、今度は選手に感じてもらいたい。「人生が変わるというか、人としての考え方も変わる場所。本当にいい場所なのでこいつらに早く味わわせてあげたいし、長く味わわせてあげたい」と闘志を燃やした。
昨秋の関東大会では堂々の4強入り。テーマを「執念」とし、「何が何でも捕る、打つと。その積み重ねができた」。昨年7月末に新チームとなり、麦倉監督の一言がチームを奮い立たせた。「おまえたちには申し訳ない。秋じゃなくて次の夏(の甲子園)を目指していこう」。“下手くそ”を突きつけ、選手らは目の色を変えて練習に励みつかんだ結果だった。
今春からDH制が導入される。「投手目線で言ってアウト1個を取れる場所がなくなる。苦手です」と苦笑いを浮かべながらも、「まだまだ伸びしろがあるチーム。投手を中心に守って守って、佐野日大の野球を徹底してやっていきたい」。今度は監督として、甲子園で初勝利を挙げる。
◆麦倉 洋一(むぎくら・よういち)1971年7月29日生まれ。54歳。栃木県栃木市出身。右投げ右打ち。佐野日大のエースとして第71回全国高等学校野球選手権大会に出場。89年度ドラフト3位で阪神に入団し、94年までプレー。通算12試合で2勝4敗。現役引退後はゴルフ場開発企業勤務を経て、デサントに入社。2017年に佐野日大の監督に就任。25年秋の関東大会で4強。