「選抜高校野球・選考委員会」(30日、大阪市内) 第98回選抜高校野球大会(3月6日抽選、同19日開幕、甲子園)の選考…
「選抜高校野球・選考委員会」(30日、大阪市内)
第98回選抜高校野球大会(3月6日抽選、同19日開幕、甲子園)の選考委員会が30日、大阪市内で開かれ、崇徳が33年ぶりの出場を決めた。昨秋の中国大会を33年ぶりに制し、春夏通算6度目の甲子園出場となる。1976年の選抜大会で初出場初優勝を果たした古豪。93年の選抜以来となる甲子園に導いたのは、絶対的エースの徳丸凜空投手(2年)だ。中国大会4試合を一人で投げ抜いた左腕が、チーム2度目の全国制覇を誓った。
待ちに待った瞬間だ。選抜出場の吉報に、崇徳ナインに満開の笑顔の花が咲いた。33年ぶりの甲子園出場。古豪が復活し、長く止まっていた時計が再び動き出した。
聖地への道を切り開いたのは徳丸だ。昨秋の中国大会は4試合を一人で投げ抜いた。3完封し1失点。エースの名にふさわしい投球だ。背番号1は「長い間、甲子園に出ていなかった。その重い扉が、やっと開いた」と白い歯をこぼした。
悔し涙が成長曲線を伸ばした。昨夏の広島大会決勝。広陵を相手に、1-0の九回2死二塁から追い付かれ、延長戦の末に力尽きた。「自分の詰めの甘さが出た」。敗戦の責任を背負い、人目をはばからず泣き崩れた。
野球の怖さを知ったあの日が、左腕の分岐点になった。新チームとなり再出発した日、最初に変えたのは日常生活だった。寮では、それまで無造作だった布団を毎日、起床後にきれいにたたむことから始めた。
「今のままの生活ではダメだと持った。ささいなことからやろうと思った」
日常生活のすべてがマウンドに通じるからだ。小さなことでも自らを律すことが、隙を見せない投球につながると信じてきた。
グラウンドのスコアボードには、広陵戦のスコアが刻まれている。悔しさを忘れず、流してきた汗がある。藤本誠監督(46)は「昨年の夏の決勝戦で、本当に悔しい思いをして、また意識が高くなった。素晴らしい投手に成長している」と、全幅の信頼を寄せた。
甲子園常連校や強豪校からの誘いがあった中で、崇徳への進学を決意したのには理由がある。「甲子園に長らく出ていなかった。自分が崇徳を甲子園に導こうと思った」。93年の選抜を最後に、聖地への道は途絶えていた。胸にある下克上魂。新たな道を切り開くという強い思いが原動力だ。
今大会からDH制が採用されるため、各校の打線はこれまで以上に強力になる。最速140キロの切れのある直球で、全国の猛者たちをねじ伏せる決意だ。
「目標は、2度目の全国制覇です」。初出場で初優勝した76年から半世紀。徳丸が崇徳の夢を、再びかなえる。