第98回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の出場校を決める選考委員会が30日にあり、…

 第98回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の出場校を決める選考委員会が30日にあり、奈良県内からは智弁学園(五條市)が選ばれた。5年ぶり15回目の出場で、2016年以来の優勝を目指す。県勢からは昨年の天理に引き続き2年連続の選出となった。(周毅愷)

■「自分が一番であることを見せる」

 手塚彰校長が校内の一室でライブ配信を見守る中、午後4時10分ごろ、智弁学園の名前が呼ばれた。手塚校長は野球部員が待つグラウンドへと足を運び、「みんなのたゆまぬ努力が最高の形となった。智弁学園の底力を全国に見てもらいましょう」と祝った。

 昨秋の近畿地区大会県予選は、夏に甲子園をかけた決勝で敗れた天理にリベンジを果たし、2年ぶりの優勝を決めた。近畿大会でも、準決勝までの全試合で逆転勝ちする粘り強さを発揮。決勝では、その後の神宮大会で準優勝を収めた神戸国際大付(兵庫)を相手に一歩も譲らぬ接戦を演じた。

 出場の報告を受け「ホッとしてる部分もあり、気持ちが引き締まる思いも強い」と小坂将商監督。「(秋の近畿大会で)ひっくり返す力はついたが、見えないものも含めてエラーが1試合で四つくらいあった。それを減らすように守備を練習してきた」とチームの現状を語る。24年の夏以来となる甲子園に向けては「準優勝ではなにも残らない」と、頂点を見据える。

 注目は最速149キロの本格左腕、杉本真滉投手。秋の県大会決勝と近畿大会の1回戦、準々決勝で九回を投げきり、計31三振を奪った。しかし、決勝では同点で迎えた八回裏に失点。「メンタルの弱さが出た」と振り返る。冬に磨いてきたのは、制球力と速球のノビ。身体の軸を鍛えるために、体幹トレーニングを毎日納得するまで繰り返したという。

 昨夏の甲子園では多くの同年代投手の活躍をテレビで目の当たりにした。「悔しい気持ちはあったが、この春は自分が一番であることを見せたい」と力を込める。

 チームをまとめる角谷哲人主将は「新チームが始まってから日本一を目指してやってきている」と語る。1点差で敗れた近畿大会決勝を糧に「一つのプレーに対する意識を理解して選抜に臨みたい」と気を引き締めた。(周毅愷)

■智弁学園の昨秋の成績

◆近畿地区大会奈良県予選

2回戦  ○5―0畝傍

3回戦  ○4―1橿原

準々決勝 ○5―4法隆寺国際

準決勝  ○9―0郡山(7回コールド)

決勝   ○4―3天理

◆近畿地区大会

1回戦  ○8―6近大付

準々決勝 ○6―5東洋大姫路

準決勝  ○7―3滋賀学園

決勝   ●6―7神戸国際大付

■21世紀枠候補の郡山は選ばれず

 近畿地区の21世紀枠候補だった郡山は選出されなかった。校長室でライブ中継を見守った村井博樹校長はグラウンドで練習中の野球部員に結果を知らせ、「気持ちを切り替えて頑張ってほしい」と呼びかけた。

 田副皓大(たぞえこうた)主将は「残念だが、落ち込んではいません。スイング力や守備の粗いところを詰めて、春の大会ではベスト4を目指したい」。岡野雄基監督は「候補に選ばれたことでいろいろなところで声をかけていただいた。部員たちは地域に支えられていることを実感したと思う」と話した。(神田剛)