<第98回選抜高校野球大会:選考委員会>◇30日恩返しのための聖地切符をつかんだ。第98回選抜高校野球選考委員会が30日…

<第98回選抜高校野球大会:選考委員会>◇30日

恩返しのための聖地切符をつかんだ。第98回選抜高校野球選考委員会が30日に行われ、東北(宮城)が東北地区3枠目で、23年以来3年ぶりのセンバツ出場を決めた。現チームとしては初めてとなる聖地に松本叶大主将(2年)が気持ちを高ぶらせながら、掲げた「日本一」に向け決意を新たにした。

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少し前まで活気ある声が響いていた室内練習場が、打って変わって緊張感漂う静寂に包まれる。選手たちはじっとモニターを見つめた。東北地区3校目で待ち望んだ「東北高校」の名前が呼ばれ、松本は目を潤ませた。「今は一番ホッとしています。これからがスタートなんですけど、今までやってきたことが報われた気持ちでした」と喜びをかみしめた。

新チームになり改めて掲げた「日本一」という指標。聖地切符をたぐり寄せるため、佐藤洋前監督の後を継ぎ昨年8月から指揮を執った我妻敏監督(43)とともに「自分たちで考える野球」を培った。3年ぶりに東北大会に出場し、手応えをつかむも準決勝で花巻東(岩手1位)に1-4で惜敗。当確ランプをともすことができなかった。「あとひとつ勝ちきれなかった自分たちの弱さだった。そこをもう1度見つめ直そう」とナインを鼓舞した。

長い冬はフィジカル強化、速球やパワーボールに打ち負けない打撃強化、投手陣は可動域を広げるトレーニングに注力した。「今までやってきたことをさらに突き詰めて、寮生活も見つめ直しました」。礼儀、掃除も抜かりなく、野球教室などのボランティア、雪かきなど地域貢献活動にも励みながら吉報を待った。

ナインをさらに奮いたたせる出来事があった。昨年11月に佐藤前監督が天国に旅立った。「つい最近まで指導していただいていたので信じられなかった」と心の整理に戸惑うも、毎日重ねていたミーティングの中でもらった教えはナインの中で今も生き続けている。「洋さんに教わった野球を楽しんでする姿を見せながら、勝つ姿を見せたい」と恩返しを誓った。

6季ぶりにつかんだ聖地で「東北」の名を改めてとどろかせる。「自分たちのプレーから見てる方々を勇気づけられたり、小さい子たちも野球をやりたいと思えるような元気はつらつとしたプレーをしていきたい」。日本一を追いかける姿で、見る人の心を動かす。【高橋香奈】

○…センバツ出場が決まり、我妻監督はナインらに「おめでとう」と声をかけた。監督として自身も初となる3校目での選出に「ホッとしました。こんなに分からないもんなんですね」と安堵(あんど)。昨年8月に7年ぶり3回目の就任も春の聖地は初めて。「この子たちも初めて、僕もそういう意味では初めてになるのであまり構えることなく、いろんなことにトライしていきたいと思います」と話した。