<第98回選抜高校野球大会:選考委員会>◇30日第98回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の出場校を決める選考委…
<第98回選抜高校野球大会:選考委員会>◇30日
第98回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の出場校を決める選考委員会が30日、大阪市内で開催され、甲子園で戦う32校が決まった。昨春王者の横浜(神奈川)は関東・東京の6枠目に滑り込み、「高校BIG3」の最速154キロ右腕・織田翔希投手(2年)は春連覇へ闘志を燃やした。神宮大会枠で九州5枠目に滑り込んだ沖縄尚学の150キロ左腕・末吉良丞投手(2年)も夏春連覇へ気合十分だ。山梨学院の最速152キロ右腕・菰田陽生投手(2年)の出場も決まり、注目のBIG3が春の甲子園を賑わせる。
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センバツ出場の吉報が届くと、横浜・村田浩明監督(39)は感極まって涙をこぼした。選手たちに「よかったな。ありがとう…」と呼びかけ、笑顔だった織田の目も潤んだ。「素直にうれしい。でも…僕らの秋の成績で監督を苦しめてしまった…」。もう2度と負けたくない。「去年の先輩たちが頑張ってとった優勝旗を全員で返しにいけるのが一番の喜び。2連覇は自分たちにしかないチャンス。必死で狙いにいきます」。身長185センチ、80キロ。昨秋よりも5キロ増えた体で、堂々と宣言した。
負けの悔しさを胸にしっかりと刻んだ。昨秋の関東大会、準々決勝で専大松戸に負けた日のことは今でも鮮明に覚えている。いつも、試合後のバスでは主将の小野舜友内野手(2年)と話しをしながら過ごしていたが、この日は、ひと言も口にしなかった。「何がダメだったのか。ずっと考えていたら、もう寮についていました」。約2時間が、あっという間だった。
エースの姿がチームを変えた。「当落線上」と言われながらも、前を向き、出場だけを信じ練習に打ち込んだ。フォームを1から見直しセットポジションに固定。「体重をしっかり乗せ、軸を大事に。正しい母趾球の位置と、小指球、かかとの3点で立つことを意識」。真っすぐの質を求め、1球1球丁寧に投げ込んこんできた。村田監督が「小野と織田が変わればチームが変わる。今までで1番練習してきました」と胸を張って言える程、織田を中心に成長した。
主役の座を射止める覚悟もある。菰田、末吉の名前を聞かれると「もちろん、すばらしい選手です。でも今の自分はどうやったらチームが勝てるかということを1番意識している。だから、ライバル視はしていません」ときっぱり。誰にも負けるつもりはない。その自信があるからこそ、胸を張って言える。
同校OBで「平成の怪物」と呼ばれた松坂大輔氏の背中を追い続けてきた。年号を引き継ぎ「令和の怪物」へ。甲子園への時計が今再び動き出し、頂点を目指す時がきた。【保坂淑子】
◆横浜の昨年V 1回戦の市和歌山戦で織田が甲子園の新2年生最速タイとなる152キロ。2回戦の沖縄尚学戦は阿部葉太主将(早大進学)の3ランなどで8得点を挙げ、6人継投でかわした。準々決勝の西日本短大付戦では奥村頼人(ロッテ3位指名)が3者連続3球奪三振。準決勝では大会連覇を狙った健大高崎・石垣元気(ロッテ1位指名)から3点を奪い、織田が7回無失点。智弁和歌山との決勝は13安打で11-4と打ち勝ち、19年ぶり4度目の優勝。神宮大会に続く「秋春連覇」で公式戦20連勝とした。
◆織田翔希(おだ・しょうき)2008年(平20)6月3日生まれ、北九州市出身。同市の足立中で全国大会に出場し、軟球で143キロをマークした。横浜では1年春からベンチ入り。24年秋の明治神宮大会では明徳義塾戦で大会史上6人目の1年生完封勝利。昨年センバツでは全5試合に先発し優勝。甲子園での最速は152キロ。185センチ、76キロ。右投げ右打ち。