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 Bリーグとして初の開催となる「Bリーグドラフト2026」が29日、都内で行われ、ノーザンコロラド大学の山﨑一渉が、サンロッカーズ渋谷から1巡目1位で指名を受けた。

 同チームのプレスリリースには、「2メートルの長身を持ちながら、外角シュートを高確率で沈めるスキルと機動力を兼ね備えた大型ウイングプレイヤー」「攻守両面での貢献度が高く、将来性豊かな選手として大きな期待を寄せています」と選手としての山﨑について記されていた。そして、これまでアメリカで山﨑を見てきた者として、コート外の山﨑を加えるなら、「律儀で真面目」「人への恩を決して忘れない。必ず返そうとする」性格だ。

 仙台大学附属明成高校(前・明成高校)の先輩、八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)を心から尊敬し、八村の背中を追ってここまで来た。その一方で、渡米して4年目になる山﨑は心身ともに成長し、自らの信念もしっかり持っている。

 山﨑へのオンラインでのインタビューは、Bリーグドラフトの前日に行った。たまたま山﨑に時間があったのが同日だったわけだが、お陰でドラフトに関する質問が増えてしまった。それでもいつものように感情を見せることもなく、落ち着いた様子で質問に答えてくれた。

インタビュー・文=山脇明子

「選択肢がいっぱいあることに感謝」来季の進路は未定


――明日Bリーグのドラフトがありますが、Bリーグへの参入意志がないことを所定の書式で明言したりしているのでしょうか?

山﨑 何もしていないですね。 書類とかは全然出していません。

――もしどこかに指名された場合、来シーズンBリーグでプレーすることを考えていますか?

山﨑 今は来シーズンのことは、まだあまり考えていません。ただ考えていないと言っても、選択肢がある中で決めていないという状態なだけです。選択肢がいっぱいあるということだけでもありがたいです。今はとりあえず今シーズンに集中して、来シーズンどうするかというのは、シーズンが終わってから選択肢の中で考えようと思っています。

――来季Bリーグでプレーすることも選択肢の一つだということですね。

山﨑 はい、そうです。

――Bリーグには、どのような印象をもっていますか?

山﨑 Bリーグは、すごくレベルが高いリーグで、昨年の夏に日本代表でBリーグの選手たちとやらせてもらって、やっぱりすごく皆さん上手で、日本人も外国籍もすごい人たちばかりのリーグで、本当に大きな、素晴らしいリーグだと思っています。

――山﨑選手は、もともとNBAを目指して渡米しましたが、その辺は今はどう考えていますか?

山﨑 もちろんNBAに行きたいという気持ちは大きいです。でも自分が成長できる環境だったり、自分が大きな役割になる環境でプレーしていないと、そういうことは見えてこないと思うので。そういう環境を探して、一歩一歩自分がなれる最大限の選手になっていこうというのが目標です。

――ということは、最終的にはNBAを目指していて、そのプロセスとしてBリーグでやるのか、大学に残ってやるのか、あるいは別の選択肢を取るのか、そこを考えるということでしょうか?

山﨑 そうですね。そういう感じではあります。

――山崎選手が右ヒザに大ケガを負ったときに「同じケガをして戦っている姿を見て、すごく励みになる」と話していた友人の岩下准平選手(筑波大→同ドラフト1巡目全体の4位で長崎ヴェルカから指名)も大ケガを乗り越えてドラフトを目指しコンバインに参加しました。

山﨑 そうですね。彼とは結構連絡を取り合っています。彼は大学でも(ケガで)苦しんできましたが、今年はじめてBリーグのドラフトが行われるということで次のステップに向けて、楽しみにしてるような感じだと思います。

――NCAAからBリーグと言えば、仙台大明成高校時代の同級生、菅野ブルース選手が昨シーズンから千葉ジェッツに所属していますが。

山﨑 彼とも毎日のように話しています。今(右脛骨骨折からの復帰を目指し)リハビリをしていますが、彼もすごく苦しんでいるので、これからカムバックすることは、すごく大きなことだと思います。彼からもBリーグのことを聞いたりしていますし、手術の話もしたりしました。

初のA代表活動「同世代から後れを取っている感じがしていた」


――昨夏はディベロップメントキャンプから日本代表デビューも果たしました。ディベロップメントキャンプでは、アメリカで同じように頑張ってる選手がいたり、これから期待される選手が集まりましたが、あの経験はいかがでしたか?

山﨑 自分はアメリカにいてケガもあったので、本当にA代表活動というのは初めてだし、 NTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)でバスケをするのもすごく久々でした。(故障で長期休んだこともあり)同世代のスター選手たちから少し後れを取ってるような感じはずっとしていたので、チャンスを逃さないようにと準備してきて、やってきたことをキャンプでも出せましたし、無事にA代表デビューもできたので、今回の夏はすごく大きかったです。

――A代表や日本ですでに活躍している選手たちとやっていかがでしたか?

山﨑 久しぶりに一緒にプレーした人たちもいれば、初めての人たちもいて。そしてB リーグのトップの日本人選手たちと一緒にああやってやれたというのはすごく貴重な経験でした。またトムさん(ホーバスヘッドコーチ)のバスケだったりとか、そういうものも、ここ(ノーザンコロラド大)のバスケと少し似ていたので、ラドフォード大のバスケからこの大学に慣れるためにもいい準備期間にもなりました。自分の感覚を呼び覚ますというか、日本でやっていた時のようなシュート感覚で打つというバスケットをやっていなかったので、そこはすごく良かったと思います。

――山崎選手の面倒を見てくれた先輩はいるのでしょうか?

山﨑 若手の選手たちが期待通りにとか、思い通りにいかなかったときに、吉井(裕鷹/三遠ネオフェニックス)さんがすごく声をかけてくれたのが印象的でした。吉井さんはベテランとして代表の経験もあるし、プロでの経験もあるので、彼から話を聞けたことはすごく貴重なことでした。

――同じNCAAでプレーするジェイコブス晶選手(フォーダム大学)とも代表の活動を通して仲良くなったりしたのですか?

山﨑 晶とすごく仲良くなって、結構連絡も取り合うようになりましたね。(テーブス)流河(ボストンカレッジ)とか山ノ内勇登(オーラル・ロバーツ大学)、川島(悠翔/シアトル大学)は元から知っていたのですが、晶はたぶん初めてです。気が合うところもあって打ち解けました。

――昨年夏の代表での経験は、いずれ八村選手ともプレーできる可能性を感じられるきっかけになったのではないでしょうか?

山﨑 代表活動は自分にとってすごく大きいことですし、塁さんはずっと憧れの存在で、同じチームでプレーしたいという気持ちはすごくあります。でもBリーグにもNCAAにもたくさんいい選手がいます。まだまだ自分は足りていないと思うので、これからもっと努力して上手くなって、同じコートに立てるようになりたいです。そのためには、自分が一番成長できる環境で経験を積むというのが、やはり今の自分には必要なのかなと思います。

転校の決め手は「大きな役割を与えてくれること」


――昨オフ、ラドフォード大のダリス・ニコルズヘッドコーチがラサール大学に移ることになりました。転校を考え出したのは、そのあたりからですか? 何校ぐらいから誘いがあり、なぜノーザンコロラド大に決めたのでしょうか?

山﨑 転校を考え出したのは、そのあたりですね。(連絡があったのは)5~6校ぐらいです。今の大学に決めたのは、コーチ陣が一番熱心に自分を欲しいと言ってくれたところと、オフェンスだったり、ディフェンス面のスタイルが自分に合っているところがすごく大きかったです。あと一番大きかったのが、自分に大きな役割を与えてくれるということでした。やはり大きな役割をもらって成長できるような環境じゃないと、成長がどんどん遅れてしまうと思うので、そこは一番重視しているところです。

――スティーブ・スマイリーヘッドコーチは、山崎選手のどういうところを評価してくれていたのですか?

山﨑 4番、3番ポジションとしてシュート力がある。そして中にも切れ込めたり、細かいところもしっかりやれる選手を探していて、自分(がそうだ)というふうに言われました。

――今シーズンは3ポイントシュートを積極的に打っていますが、オフの間、この練習に力を入れたのですか?

山﨑 3ポイントの練習はラドフォード大のときからずっとやっていたのですが、ラドフォードのバスケットはどんどん3ポイントを打っていくというバスケットじゃなくて。逆にこのチームはどんどん3ポイントを打っていくチームなので、そこが、相性が良かったのだと思います。

――山﨑選手はシーズン初めからシュート力があることを見せてきましたが、カンファレンスゲームに入ってから、マークが厳しくなっていると感じますか?

山﨑 どのチームもあまり打たせてはくれなくて、自分がシューターなのをスカウティングされているので、シュートをおとりにして中に切り込むプレーだったりというのをやっていきたいと思っています。このカンファレンスゲームでは、シュートの調子がよくてシュートばかりになってしまっている場面が結構あったのですが、一つ前の試合から中に切れ込んだりとか、そういうプレーも出せているので、もっと原点に戻って…。自分はシュートもすごく自信があるんですけど、それ以上のこともできると思ってるので、シューターだけじゃなくて、他のことだったり中に切れ込むことだったりというのをやっていきたいです。

――今はどういう部分を課題にしてますか?

山﨑 自分は大きい役割をもらっていて、チームが負けているということは、正直言って自分が力不足な部分も相当あると思います。大きな役割をもらっている分、チームを勝たせなければいけません。バスケットの技術面で言えば、シュートを決め続けていくこと、スカウティングもされるので、違うバリエーションのところをもっと増やしていくというのは考えています。

――もし来年大学に残るとしたらシニア(4年生)で、本当のリーダーになります。ラドフォード大の時もいいキャプテンに恵まれましたが、自らはどういうリーダーになりたいですか?

山﨑 自分はどちらかというとプレーで見せるタイプなので、スコアとかそういう部分じゃなくて、ディフェンス面だったり、細かいところをハイレベルでやっていくのが勝つためには必要なんだというところをどんどん見せていかないといけないと思っています。自分の経験を生かしてそれを体現できるようにしたいです。

【動画】Bリーグドラフト2006、山﨑一渉指名の瞬間