U-23日本代表が、サウジアラビアで開催されていたU23アジアカップを制した。若き日本代表は大会を通じて、自分たちと日…

 U-23日本代表が、サウジアラビアで開催されていたU23アジアカップを制した。若き日本代表は大会を通じて、自分たちと日本サッカーの成長を証明した。さらに見えてきた明るい未来についても、サッカージャーナリスト後藤健生がつづる。

■優勝への糧となったヨルダン戦

 攻撃から守備への、いわゆるネガティブ・トランジションの早さによって相手の攻撃を遅らせて、相手にボールを下げさせる。それが、あらゆる年代のチームに共通する日本のMFたちの特徴だ。それに加えて、若い世代の日本のMFにはいくつもの選択肢を頭に入れながらプレーすることができるようになっている。

 この大会で最も苦しい戦いとなったのは1対1の引き分けに終わり、辛くもPK戦で次のラウンドへの進出を決めたヨルダン戦だった。

 この試合では、相手のプレッシャーが激しく、また、カウンターの迫力もあった。そのため、日本の選手たちは攻撃を急ぎ過ぎた。早いタイミングで速いボールを入れて攻撃に転じようとしたが、そこでミスが生じて相手にボールを渡してしまい、何度もピンチを招いてしまった。

 あの失敗が教訓となったのだろう。決勝戦ではけっして焦ることなく、落ち着いてパスを回すことによって、隙を与えなかった。

■フル代表との共通点

 中国は日本に対して、ロングボールで対抗しようとした。ウィングバックから長いボールを使って前線の王鈺棟や向余望を走らせようとしたのだが、日本の守備陣が落ち着いて危なげなく跳ね返し続けた。

 今大会を通じて、失点はヨルダンのカウンターによる1点のみ。CBの市原吏音と永野修都、そしてアンカーの小倉幸成、それにGKの荒木琉偉の4人による中央での守備は圧巻だった。

 さらに、決勝戦では右の小泉佳絃、左SBの梅木怜も必要な時には絞って守備に入ったし、またヘディングの競り合いでもほとんど負けなかった。

 森保一監督のフル代表は2024年のアジアカップでロングボールによる攻撃で苦戦を強いられた。その結果、日本代表は3バックで戦うことを選択して、現在に至っている。現在の日本代表はCB陣の層の厚さを誇っており、冨安健洋が長期にわたって離脱し、さらに多くの選手が負傷で離脱する中でも守備力を落とさないで戦うことができている。

 そして、その流れは若い世代でも続いている。

■「高さ」を補うもの

 市原の空中戦での競り合いの強さは周知の事実である。

 たとえば、ボルシア・メンヘングラッドバッハに移籍した高井幸大も高さでは負けない選手だが、彼の場合は助走をあまり付けずにジャンプして勝負するタイプだ。それに対して、市原は競り合いの場面でボールの落下点を見極めて何歩かの助走をつけてジャンプして勝負する。

 助走をつけることによってジャンプの高さも出るし、また、加速度エネルギーが付くので相手との接触でも負けない。

 そして、決勝の中国戦を見ると市原だけではなく、CBの永野も両SBもうまく助走を取ってジャンプして競っている。それによって、フィジカル的に優位に立つはずの中国のFWを封じることに成功した。今後、日本には高さに強いDFがますます増えていくことだろう。

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