待ちに待った日がやってきた。第98回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の選考委員会が今日30日に行われ、出場32…
待ちに待った日がやってきた。第98回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の選考委員会が今日30日に行われ、出場32校が発表される。昨秋東北大会王者の花巻東(岩手)は4季連続甲子園出場が懸かる。エース萬谷堅心投手(2年)は、秋での課題に向き合い、背番号「1」にふさわしい投手を目指してきた。甲子園で体現を-。並々ならぬ思いで吉報を待つ。
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出場校発表1週間前。今季最強寒波の影響で花巻東のグラウンドは一面、雪景色だった。それでも、室内練習場からは熱い声が響いていた。萬谷は「全員が高いモチベーションで取り組めています」。昨春は東北3枠目としてセンバツ出場をつかみ取った。今年は東北王者として吉報を待つが、決して慢心はしない。「出場に満足するのではなく、大事なのはそこから勝ち続けること」。指導者からの言葉を胸に刻み、取り組んできた。
昨秋はエースとしての自覚がさらに高まった。4強入りした明治神宮大会準決勝では、優勝した九州国際大付に7-8で惜敗。萬谷は2点リードの6回1死一、二塁のピンチで登板。だが、連打と味方のミスで、この回4点を失った。「背番号1をつけている以上は、抑えなくてはいけなかった」。自分自身を見つめるきっかけになった。
課題は球質。「ストレートのキレや、変化球が曲がりきらないことが打たれた要因だったと思います」。球速アップなどを狙い、トレーニング量を大幅に増やし、フィジカル強化。体重は5キロ増の75キロ。「ボールの伸びも良くなっています」と好感触を得ている。
大先輩の活躍にも刺激を受ける。同校OBエンゼルス菊池雄星投手(34)が、3月に行われるWBCの侍ジャパンメンバーに初選出された。「雄星さんのようなピッチャーになりたいです」。後輩として、同じ左腕として、萬谷の頭には常に大先輩の存在があった。
佐々木洋監督(50)からは当時の話を聞くことがある。「高校生で150キロ台を出しても取り組みの姿勢は変わらなかった。むしろ、さらに自分を伸ばすために努力していた」。このエピソードが萬谷の胸に突き刺さった。「自分も見習わなくてはいけないですし、個人の結果だけではなく、チームを背負って投げたいと思いました」と話した。
一回りも、二回りも大きく成長したエース。センバツ切符をつかみ、聖地で体現するつもりだ。「『やっぱり萬谷だな』と言ってもらえるピッチャーになりたいです」。前へ前へ。成長の歩みは決して止めない。【木村有優】
◆萬谷堅心(まんや・けんしん)2009年(平21)1月28日生まれ、岩手県盛岡市出身。4歳から野球を始め、山岸タイガースに所属。中学では盛岡北シニアでプレーし、花巻東では1年秋に初のベンチ入り。179センチ、75キロ。左投げ左打ち。50メートル走6・3秒。憧れの野球選手はエンゼルス菊池雄星。趣味は音楽鑑賞。