◆テニス 全豪オープン 第12日(29日、メルボルン・ナショナルテニスセンター) 【メルボルン(オーストラリア)29日=…

◆テニス 全豪オープン 第12日(29日、メルボルン・ナショナルテニスセンター)

 【メルボルン(オーストラリア)29日=吉松忠弘】車いすの部男子シングルスで、世界王者の小田凱人(ときと、19)=東海理化=が、2021~22年の国枝慎吾以来、史上2人目の4大大会連続全制覇に残り2勝と迫った。準々決勝で21年東京パラリンピック銀メダルの世界12位、トム・エフベリンク(33)=オランダ=に6―4、6―4で勝ち、4強進出。同女子の上地結衣(31)=三井住友銀行=もベスト4入りした。

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 世界王者・小田の貫禄勝ちだ。第2セットは0―3スタート。しかし、「ヒヤヒヤはしていない。負けるとも思っていない」。すぐにエンジンの回転数を上げ「相手を超えていこう」とレベルを上げた。今大会は気温40度前後の酷暑が話題になっているが、この日の屋外コートは涼しい風と曇り空で、気温は20度台。「0―4になると巻き返すのに時間がかかる」と、きっちり反撃に成功してのストレート勝ちだ。

 車いすテニス界では、数ある種目の中でも、男子シングルスが、飛び抜けてレベルが高い。特に4大大会は、その時の世界上位16人のトップクラスしか出場できない。それでも、小田にかかると「自分の中では8(強)から4(強)の間が切り替え。一気にレベルが上がる」と話す。

 次戦は昨年、生涯4大大会全制覇を達成した全米決勝で、フルセットの激戦となった同4位のグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)が相手だ。今大会、ともにペアとしてダブルスも組んでおり、手の内は知り尽くした相手だけに「明日からが本番」と気合が入る。

 2年ぶりの全豪制覇まで、あと2勝。優勝すれば、昨年全米で達成した生涯ゴールデンスラム(4大大会全制覇とパラリンピック金メダル)に、新たな勲章が加わる。25年の全仏からウィンブルドン、全米、26年の今大会と、年をまたぎながら4大大会を連続で全制覇する快挙となる。男子シングルスの達成者は過去、国枝慎吾しかいない。

 それだけにとどまらない。毎年、全豪の覇者だけが権利を手にするのが、テニス界で最も価値があるとされる「年間での4大大会全制覇」。小田も「今年の最大の目標は年間グランドスラム(4大大会全制覇)」と掲げる。国枝に次ぐ、年またぎの4大大会連続全制覇の先に、史上初の偉業も控える。新たな歴史へ、19歳の快進撃は続く。

 ◆4大大会の全制覇 年間と生涯以外に、年をまたぐが4大会連続で制するものがある。車いすの部の男子シングルスでは、国枝慎吾が21年全米から、22年全豪、全仏、そしてウィンブルドンと連続で優勝した。同年ウィンブルドン初優勝で、国枝は生涯4大大会全制覇も同時に達成。小田は25年全仏、ウィンブルドン、全米と制し、年またぎで残すのがこの26年全豪だけだ。