Jリーグの「サステナビリティカンファレンス2026」が28日、都内で開催された。スポーツポジティブ創設者兼CEOのクレ…

 Jリーグの「サステナビリティカンファレンス2026」が28日、都内で開催された。スポーツポジティブ創設者兼CEOのクレア・プール氏が「スポーツポジティブリーグとは」をテーマに基調講演を行った。Jリーグは、気候変動の問題解決のためのアクションとして、スポーツを通じた環境サステナビリティの取り組みを数値化し、進ちょくや目指すべき方向性をわかりやすく把握できる仕組み「スポーツポジティブリーグ(SPL)」へ26年1月から、アジアで初めて参画する。クレア・プール氏がスポーツ報知の単独インタビューに応じた。(岩原 正幸)

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 ―JリーグがSPLに参画する。

 「これまでの努力にも非常に感心します。クラブの皆さんも本当にプラスの感覚で動いてくださっています。今日もお話があったが、いろんな良い事例が出てきています」

 ―参加者からの質問もとても具体的だった。

 「本当に素晴らしいですし、洞察力も鋭いものでした。クラブの皆さんが真剣に受け止めていることの表れだと思いました。これをチャンスとして、より情報共有をしようという姿が見られました」

 ―英国での気候変動アクションの取り組みは順調な成果が出た。困難だったことは?

 「私はクラブ自体が成熟するにつれて、大きな変化をもたらすことがより難しくなってくると思います。最初の時期は、行動で取れる部分が簡単ではなかったかもしれないが、まあ簡単かもしれないという部分もあった。小さな簡単な行動をやるにつれて、今度はより大きな難しい課題に取り組まなければいけなくなってくる。それは良い進化ではあるが、すごいことが起きているということの表れでもある。もっと大変な困難な課題が目の前に控えてくるということにもなってきます」

 ―英国で取り組みが成功した一番の大きな理由は?

 「サッカーチーム(のおかげ)だと思います。このSPLに関して、責任をもってやってくれているわけですから」

 ―日本のクラブや、ファン・サポーターに期待することは。

 「重要な点としてファンに期待をしていきたいと思います。皆さん、生活で大変なこともありますので、慎重さを持って。サポーターに対し、これがあなたたちの責任だからとは言いたくはない。クラブの方でリーダーシップを取ってもらい、ファンを一緒に巻き込むということだと思っています。そして対話を行う。課題がを説明して、サッカーの役割がどういうものなのかを説明する責任があると思っています。どういう風に関与していくのか、地域社会もそうです」

 ―子どもたちへの働きかけなども重要か。

 「たしかに欧州においては若い人たちがよりこの(環境)問題を理解していて、かなり自分ごととして受け止めています。学校で学んだことを親御さんに伝え、保護者の方が、そうか、と理解してもらうことにもつながっています。良い例が水戸ホーリーホックの例です。小学5年生の男の子が送った一通のメールがきっかけで大豆バーガーの販売につながった素晴らしい事例があります【注】」

 ―講演では「意識」が大事だと強調していた。

 「課題はお金、人的資源、専門知識、優先順位だと思います。例えばリーダーシップがあり、そういうマインドセットでお金を見つけ、スタッフも増やし、専門知識をもっと構築でき、優先項目をしっかり見出せると、変化は迅速に訪れると思います。考え方次第です。SPLは、まだまだ初期段階ですし、希望としては継続的な進歩があってほしいと思います。日本のファンの皆さんも、受け止めて一緒に歩んでいっていただきたい。もしかしたら5年後くらいに、SPL(の仕組み)がなくても、どんどん自然な形で取り組みをやってもらえる未来が訪れるかもしれません」

 【注】21年11月、茨城県内の小学5年生の1通のメールをきっかけに、大豆ミートバーガーの販売につながった。Jリーグが環境問題に対し、どのような取り組みをしているか、全58クラブに送付したという。その後、グラスルーツファームで大豆を植えることになり、商品の販売が実現。水戸は子どもたちからスタートするプロジェクトを支え、地球環境問題に取り組んでいる。

 ◆スポーツポジティブリーグについて クラブの気候アクションを数値化し、進ちょくや目指すべき方向性を一目で把握できる仕組み。気候変動対策にとって重要な12項目の取り組み状況について、スポーツ界特有の環境パフォーマンス、(例えば)試合会場や施設のエネルギー効率、再生可能エネルギーの利用、リサイクルや廃棄物削減の取り組み、ファンや選手の移動に伴う二酸化炭素排出量の管理、ホームタウンとの連携や選手等への環境教育の推進などの多岐にわたる活動の効果をデータ収集する。独自のスコアリングシステムで定量的に効果分析し、エネルギー、廃棄物、交通など、カテゴリーテーマ別に総合点を算出。環境への取り組みが可視化され、スコアを公表することで最善策の共有を促進し、より高い目標を追求する動機付けが仕組みとして備えられている。