【合田直弘(海外競馬評論家)=コラム『世界の競馬』】◆2歳馬ランキング首位ゲワンの動向に注目 ワールド・ベスト・レース…
【合田直弘(海外競馬評論家)=コラム『世界の競馬』】
◆2歳馬ランキング首位ゲワンの動向に注目
ワールド・ベスト・レースホース・ランキングと同時に、1月20日に発表になった、2025年2歳ヨーロピアン・クラシフィケーション(2歳馬ランキング)を検証したい。
首位となったのは、レーティング121を獲得したアンドリュー・ボールディング厩舎のゲワンだった。昨年、英愛チャンピオンサイアーの座に初めて就いたナイトオブサンダーの産駒で、LRクリテリウムドボルドー(芝1600m)2着馬グレイミステールの2番仔となるのがゲワンだ。
1歳秋にタタソールズ・オクトーバーセール・ブック2にて10万ギニー(当時のレートで約2095万円)で購買された後、2歳春にアルカナ5月2歳市場に上場され、8万ユーロ(当時のレートで約1321万円)という、7カ月前の3分の2以下の価格で購買されている。
2歳7月にニューベリー競馬場のノーヴィス(芝7F)を制しデビュー勝ち。続いて出走したヨーク競馬場のG3エイコムS(芝7F)を制し無敗の重賞制覇を果たした後、ユーロン社の張月勝氏が同馬を購買。
続くドンカスター競馬場のG2シャンペンS(芝7F)は1番人気を裏切り4着に敗れたが、2歳最終戦となったニューマーケット競馬場のG1デューハーストS(芝7F)を快勝。G1制覇を果たして2歳シーズンを終えている。レーティング121は、デューハーストSを制した際に獲得した数字だ。
2024年に2歳首位だったシャドウオブライトのレーティングが120だったから、それよりは1ポンド上だが、ここ10年の単位でみれば、ゲワンより評価の低い2歳首位は、シャドウオブライトと、2020年のセントマークスバシリカ(120)の2頭しかいない。評価が高いとは言えない「2歳チャンプ」と言えそうだ。
今季の最初の目標は5月2日にニューマーケット競馬場で行われるG1英2000ギニー(芝8F)で、同馬の関係者によれば、前哨戦を使わずに英2000ギニーに直行することになる模様だ。ブックメーカーによる前売りでは、オッズ11〜13倍の2〜4番人気となっている。
2025年の欧州2歳クラシフィケーション第2位は、いずれもエイダン・オブライエンが管理するグスタード(父スタースパングルドバナー)とプエルトリコ(父ウートンバセット)の2頭が、レーティング119で横並びとなった。
G1ミドルパークS(芝6F)など2つの2歳G1を制したヴァンディークの半弟という良血馬がグスタードだ。タタソールズ12月当歳市場にて45万ギニー(当時のレートで約7035万円)でクールモアに購買されている。兄以上に仕上がり早だった同馬は、2歳5月にデビュー。ナヴァン競馬場のメイドン(芝6F)を制し緒戦勝ちを飾ると、続いて出走したロイヤルアスコットのG2コヴェントリーS(芝6F)を制し、重賞初制覇を果たした。しかしその後は、G1モルニー賞(芝1200m)2着、G1ナショナルS(芝7F)2着、G1デューハーストS(芝7F)2着と、強敵相手に善戦しながら勝ち切れずに3連敗。しかし、2歳シーズン最終戦となったデルマー競馬場のG1BCジュベナイルターフ(芝8F)を制し、惜敗続きにピリオドを打った。
同馬の119は、7Fの距離コラムで獲得したレーティングで、したがってG1BCジュベナイルターフを勝った時のものではなく、G1デューハーストS2着が評価されて得たものだ。
オブライエン師は、G1英2000ギニーが今年春の目標になるとコメント。しかし、直行するのか、どこか前哨戦を使うのか、現段階では明言していない。ブックメーカーの多くが、同馬を英2000ギニーの前売りで、同馬を1番人気(8〜11倍)に推している。
25年2歳2位のもう1頭であるプエルコリコも、G1マルセルブーサック賞(芝1600m)など4つのG1を制したミスティフォーミーの甥にあたるという良血馬だ。2歳6月にデビュー。初戦となったカラ競馬場のメイドン(芝6F)が4着、続くカラ競馬場のメイドン(芝6F)が2着と勝ちそこなったにもかかわらず、陣営は同馬の3戦目にG2レイルウェイS(芝6F)を選択。
ここでも2着となったのを皮切りに3重賞で入着した後、G2シャンペンS(芝7F)を制し、デビュー6戦目にして重賞で初勝利をあげた。その後は、G1ジャンリュックラガルデール賞(芝1400m)、G1クリテリウムアンテルナシオナル(芝1600m)を連勝。2つのG1を含む重賞3連勝を飾って2歳シーズンを終えている。レーティング119は、G1ジャンリュックラガルデール賞を2.1/2馬身差で制した際に獲得した数字だ。
オブライエン師は、同馬の春の目標を、G1英2000ギニー、もしくは、翌週のG1仏2000ギニー(芝1600m)とコメントしている。
なお牝馬は、G1フィリーズマイル(芝8F)を3.1/4馬身差で制した際に115を獲得したプリサイス(父スタースパングルドバナー)と、G1チェヴァリーパークS(芝6F)を3/4馬身差で制した際に115を獲得したトゥルーラブ(父ノーネイネヴァー)の2頭が、横並びで首位となっている。
(文=合田直弘)