ABLは6チームから4チームに縮小、今オフから選手派遣チームは変更 DeNAは今オフ、オーストラリアン・ベースボールリー…

ABLは6チームから4チームに縮小、今オフから選手派遣チームは変更

 DeNAは今オフ、オーストラリアン・ベースボールリーグ(ABL)のブリスベン・バンディッツに中川颯投手、益子京右捕手を派遣した。DeNAとしては2018年から行っている豪州への選手派遣プログラムでは、コミュニティとの連携も強化。現地での学校訪問や「ジャパンナイト(JAPAN NIGHT)」開催など、今オフも“架け橋”となった。

 スポーツ大国の豪州だが、野球は超マイナースポーツ。6球団あったABLは再編により4チームに縮小され、昨オフまで選手派遣を行っていたキャンベラ・キャバルリーはチームが消滅した。今オフから派遣チームが変わったが、「せっかく5年間続いたキャンベラとの関係がなくなるわけではない。野球チームはなくなったけれど小学校訪問は続けました」とチームデザイングループリーダーの住田ワタリ氏。それがDeNAの野球振興活動だ。

 訪問したキャンベラの小学校では、第2外国語に日本語を選択することができ、多くの子どもたちが日本に触れている。そこで、前職で約20年間学校の先生をしていたチームデザイングループの平川ブライアン氏を筆頭に実施内容を精査。日本語での自己紹介や日本なぞなぞ、かるた、日本語でクリスマスソングを歌うなどして交流した。

 約1か月前から現地の学校の先生や大使館と密にやり取りして準備を進めた平川氏は「人との繋がりは年々強くなっています。子どもたちの反応はかわいいし、野球や日本語、日本のことを好きになっていることを感じて大成功だと思います」と頬を緩めた。

元先生の平川ブライアン氏「組織として価値があると思っています」

 さらにブリスベンのホームゲームの1日を使って行われた「ジャパンナイト(JAPAN NIGHT)」では、試合前に日本人女性歌手が「君が代」を独唱し、イニング間に行われている横須賀スタジアムの名物「スカスタDASH」と類似したイベントでは、約80人の子どもたちがグラウンドを駆け抜けた。ダブルヘッダーだった試合間には野球ゲームも実施。実際に野球に触れ合うことで楽しみを伝えた。

 コロナ禍により開催できなかった年もあったが、「ジャパンナイト」は今回で6回目となった。住田氏は「数年前に配ったベイスターズのレプリカユニホームを着て球場に来てくれる人がいたり、ジャパンナイトに好感を持ってくれている声を聞くとうれしかったですね。我々がグローバルに何ができるかを考えたときに、ひとつの形かなと思いました」と浸透を実感している。

 各球団でオフの“武者修行”が当たり前のようになった今、「ベイスターズが引っ張ると言ったら大袈裟ですが、別のNPB球団も選手を派遣したときに『一緒にやりませんか』と新しいことができるかもしれない。そうやって広げていきたいし、ベイスターズだけとは思っていないです。ポテンシャルの高いスポーツ大国で、野球を一緒に盛り上げるお手伝いというか、サポートしたいという使命も感じています」と青写真を描く。

 平川氏も「プログラムのメインは選手を派遣して強くなることですが、それだけではない。国の繋がり、文化の繋がり、手を上げて一緒に行くスタッフが学ぶこと、組織として価値があると思っています」と強調する。中川颯と益子が力を蓄えている傍らで、球団としても貴重な役割を担っている。(町田利衣 / Rie Machida)