U-23日本代表が、サウジアラビアで開催されていたU23アジアカップを制した。若き日本代表は大会を通じて、自分たちと日…

 U-23日本代表が、サウジアラビアで開催されていたU23アジアカップを制した。若き日本代表は大会を通じて、自分たちと日本サッカーの成長を証明した。さらに見えてきた明るい未来についても、サッカージャーナリスト後藤健生がつづる。

■堅守の中国を打破

 U23アジアカップ決勝で、日本代表が中国を4対0で破って2大会連続3回目の優勝を決めた。「連覇」であると同時に、実質U21代表で参加した大会での初めての優勝だった。

 これまで2年に一度開かれていたこの大会のうち、オリンピック予選を兼ねた大会では開催国としてオリンピック出場権を獲得していた2020年大会を除いて2度とも優勝を飾っていた。だが、オリンピック予選を兼ねない大会には次期オリンピック参加資格のある21歳以下の代表を派遣しており、年齢制限いっぱいの23歳以下のチームを送り込んでいる国に対してはハンディキャップがあったため、これまで優勝できないでいた。

 それが、今回は初めて実質U-21代表として参加した大会で優勝を決めたのだ。

 中国も21歳以下の選手を多く送り込んで決勝進出を果たしていた。

 中国は「決勝まで無失点」とはいえ、そのうち3試合はスコアレスドロー。準決勝のベトナム戦では3得点したものの、準決勝までの5試合で2勝3分、得点はわずかに4だった。

 それでも、決勝戦が行われたプリンス・アブドゥラー・アル・ファイサル・スポーツ・シティ・スタジアムに「龍之隊球迷会」の大応援団が駆け付けたことからも分かるように、このところ低迷を続けていた中国サッカー界にとって「決勝進出」は将来への期待を高める明るい出来事だった。

■日本の完璧な崩し

 しかし、中国は日本に4ゴールを奪われてしまった。

 日本との実力差は中国側も分かっていたはずだが、それにしても自信を持っていたはずの守備が完全に打ち砕かれたことはかなりショッキングな結果だったのではないだろうか?

 日本のゴールはいずれも相手の守備を完全に崩し切ったものばかりだった。

 12分の先制ゴールは  CBの永野修都からのパスを右サイドの古谷柊介が深い位置で受け、ペナルティーエリア内の大関友翔の足元につなぎ、大関がターンして放ったシュートがDFに当たって入ったもの。大関の前に佐藤龍之介や横山夢樹が走り込んでいたため、中国のDFが一斉に下がってしまい、スペースに入り込んだ大関は余裕を持ってシュートを打てた。

 この場面でもそうだが、守備時には5人を並べてゴール前を固めた中国だが、ラインが下がりすぎて日本の選手が余裕を持ってボールを回せる場面が多かった。

 また、中国の前線と中盤の間が間延びして、中国の攻撃がロングボール頼りだったため、日本の最終ラインの選手たちも余裕を持って中国陣内に入ってプレーできた。

■中盤の守護者の得点

 20分の2点目は、この大会でも中盤での守備で圧倒的な存在感を見せていた小倉幸成が相手DFのクリアを読んで王鈺棟の前に体を入れてボールを奪って、自らミドルシュートを決めたもの。

 後半に入って最初の得点は佐藤のPK(60分)だったが、キャプテンの劉浩帆のハンドを誘ったのはペナルティーエリアの深い位置を取った古谷のクロスによるもの。さらに、76分のダメ押し点は左サイドで横山がドリブルで完全に突破し、そのクロスの跳ね返りを小倉が決めたもの。

 1点目、4点目はシュートが相手選手に当たってコースが変わったという幸運もあったが、いずれの得点も人数をかけて守っているはずの中国守備陣の裏の深い位置を取ったことによる得点。まさに、「崩し切った」と表現すべき得点ばかりだった。

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