2017年秋のテストシリーズ欧州遠征の初戦、トンガ代表戦がフランスのトゥールーズ、スタッド・アーネスト・ワロンでおこなわれた。フィジカルの強さを全面に押し出してくるトンガをノートライに抑え、5トライの猛攻を見せた日本代表が、39-6と圧勝を収めた。

 気温6度の寒空の中、試合は序盤からラック周辺で激しくゲインライン争いを展開。3分には、トンガ陣ゴール前でのラインアウトから、日本がドライビングモールでトンガディフェンスを押し込み、WTBレメキ ロマノ ラヴァがタックルを振りほどきながら中央にトライ。SO田村優のゴールも決まり、日本は7-0と幸先のよいスタートを切る。

 その後、トンガはラックサイドの力強い突破を武器に日本陣22メートル以内に侵入を繰り返し、7分にはSHソナタネ・タクルアがPGを決め、7-3とする。ラックサイドでの個人の強さを武器に単発の突破を狙うトンガの戦術は功を奏しているが、ゴール前でのハンドリングエラーで、日本は再三に渡りピンチを逃れる。試合後に、トンガのCTBシアレ・ピウタウ主将が「日本はフィジカルの強さを売りにするチームではないことは分かっている」とコメントしたように、近場で肉弾戦を挑む展開には、明らかな戦術的意図が見える。

 こうした展開の中、日本とトンガはそれぞれPGを決め、日本が10-6とリードを守っていた29分、トンガ陣ゴール前でのラインアウトからモールを押し込み、NO8アマナキ・レレイ・マフィがトライ。ゴールも決まり17-6。更に日本は、32分には大きくボールを動かして崩れたディフェンスのギャップをFLリーチ マイケルが駆け抜け左中間にトライを決め、ゴールも決まり24-6と突き放す。日本は前半終了前にもPGを決め、27-6と大きくリードして試合を折り返した。

 後半は、試合のテンポを上げてスペースへの展開を意識してきたトンガが、日本へプレッシャーを掛け始める。しかしながら、ゲインラインを切った後でのハンドリングエラーやターンオーバーを繰り返すトンガは、チャンスを得点に結びつけられない。この日、7人の初キャップ選手を含むトンガは選手同士の理解度がまだ高まっていない模様。「もちろん、全力で勝ちに行ったが、今日の試合は若手を試すという意図もある。チームの成熟度という点ではまだまだで、これが今日の敗因の一つとなったのは間違いない」とは、試合後のトウタイ・ケフー ヘッドコーチの弁だ。

 前半に比べて堅い試合展開となった後半だが、日本は59分にレメキがこの日2本目のトライ、74分にはカウンターから福岡堅樹がトライを決め、終わってみれば39-6と日本の圧勝となった。

 しかしながら、日本代表としてトンガを相手に幾度となく戦ってきたリーチは「ワールドカップ前の本気のトンガと、それ以外の時のトンガは別もののチーム」と、冷静に今日の勝利を分析。ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチも、トンガをノートライに抑えたチームを称えながらも、「今日の出来は100点満点で50点」と、チームの更なる進化に余念が無い。

 世界選抜、オーストラリア戦での敗戦の後、欧州にて今秋テストシリーズの1勝目を挙げた日本代表。来週のフランス戦へ向けて、桜の戦士たちは兜の緒を締め直す。(文:竹鼻 智)