大相撲初場所で静岡県熱海市出身の西前頭4枚目、熱海富士(23)が初優勝をかけて優勝決定戦に臨んだ。大関・安青錦に惜しく…

 大相撲初場所で静岡県熱海市出身の西前頭4枚目、熱海富士(23)が初優勝をかけて優勝決定戦に臨んだ。大関・安青錦に惜しくも敗れ、県出身力士として初の賜杯(しはい)獲得とならなかった。地元の熱海市や母校の飛龍高校(沼津市)ではパブリックビューイング(PV)が開かれ、声援を送った。

 2020年九州場所で初土俵を踏んだ熱海富士は、23年秋場所と九州場所以来の初優勝をかけた千秋楽だったが、三度目の正直もならなかった。

 恩師の飛龍高校相撲部の栗原大介監督(49)は初日の前日10日、伊勢ケ浜部屋を訪れた。熱海富士が充実した顔つきで、体の張りも良かったのを見て、「今場所はいけるんじゃないか」と感じたという。千秋楽は東京・両国国技館で声援を送った。「前に出て形をつくる相撲が今場所はできた。金星を二つとり、歴史をつくっている。立派な力士に成長したなあ」と感慨深げに語った。

 もう一人の恩師、三島相撲クラブの杉山信二会長が昨年11月に62歳で死去した。妻の美香さんと営む「光玉母食堂 めし しんちゃん」で熱海富士は高校入学から半年間下宿しながらアルバイトをし、稽古に励んだ。食堂名物の「デカ盛り」が大きな体をつくった。杉山さんの葬儀には熱海富士も参列したという。

 この日、飛龍高校には後輩の相撲部員や生徒ら約70人が、視聴覚教室の大スクリーンで観戦した。翠富士や大青山ら同校出身の関取は3人。相撲部主将の西尾勇斗さん(18)は「優勝できず悔しいですが、励みになりました」と残念そうに語った。熱海市福祉センターに設けられたPV会場でも100人以上の市民が声援を送った。(南島信也)