「大阪国際女子マラソン・一夜明け会見」(27日、大阪市内) 初マラソン日本記録(2時間19分57秒)を樹立した矢田みく…

 「大阪国際女子マラソン・一夜明け会見」(27日、大阪市内)

 初マラソン日本記録(2時間19分57秒)を樹立した矢田みくに(26)=エディオン=が、前日のレースを改めて振り返った。

 一夜明けての感想は「悔しいな」と、前日とは打って変わってのものだった。「行けるところまで行こう」と臨んだ初マラソン。ところが中盤を過ぎてもトップグループ。コンディションもいい。「25キロあたりから『勝ちたいな』という気持ちが出てきた」という。

 が、結果は海外勢の後塵(こうじん)を拝しての4位。勝ちに行って、及ばなかったことをかみしめる時間を経て、悔しさが募った。

 ネガティブではない。昨年9月の世界陸上女子1万メートルでも20位に終わり、今でも涙が出るほどの悔しさを味わった。そこでスイッチが入り、マラソンへの挑戦を決意、今回の大記録につなげることができた。

 矢田にとって「悔しい」は次への原動力だ。

 快走を支えてくれたのは、多くの友人、知人、同僚らだ。エディオンの仲間はレース前、ドライヤーを浴びる動画を「風に負けるな~」というコメントと共に送ってくれた。

 同年齢で親交の深い田中希実=ニューバランス=には、レースが近づくにつれ「くよくよしていた」際に、LINEで連絡を入れた。

 「バシッと一発、『行ってこい』って言葉を掛けて」(矢田)

 「『わしゃ知らん』て気持ちで走ったら、意外といけるで」(田中)

 こんなやりとりが矢田の心を軽くもしてくれた。

 その田中を見て「強い中でも必死にもがく。私も同じ悩みの境地に立ちたい」と矢田。それは、オリンピック、世界で戦うという思いに結びつく。

 会見に同席したエディオン・沢栁厚志監督は「練習の強度を上げれば」日本記録も狙える力量を認める。本人も「トラックでは世界で勝てる実力がない。でも昨日走ってみて『マラソンで出てみたらどうなるのかな?』と感じた」と、世界で戦えるレベルに向かえる可能性に気づいた。

 次戦は、未定。ただ初めて挑戦したマラソンで「走るのって、こんなに楽しいんだ」と再確認できた。その「初心は持ち続けたい」とするニューヒロインの、次の大仕事が待ち遠しい。