日本ラグビー協会は23日、都内で「35年W杯招致キックオフ宣言」の記者会見を開いた。日本代表が過去最高8強入りし、訪日客…

日本ラグビー協会は23日、都内で「35年W杯招致キックオフ宣言」の記者会見を開いた。

日本代表が過去最高8強入りし、訪日客数約24万人など経済効果ももたらした19年日本大会から16年。招致メッセージに「NO SIDE SPIRIT(ノーサイド・スピリット)」を掲げた。

土田雅人会長(63)は経済格差、異なる思想、情報格差、異なる人種、自由主義と保護主義、世代間格差などが記されたスライドを示しながら「なぜ招致し、世界一を目指すのか。この時代からこそ、お互いをたたえ合い、リスペクトするノーサイド・スピリット。分断や争いの起こる時代に、私たちがノーサイド精神を体現する意味は大きいはずです」と訴えた。

海外では試合終了時に「フルタイム」と表記されることが多く、最後の笛で敵味方が健闘をたたえ合う「ノーサイド」は日本特有の用語ともいえる。土田会長も「日本ラグビーの根底。これからの分断、格差あふれる時代に、あらためてこの精神が社会で必要とされるはずです。この言葉を日本からの発信で、社会、世界の合言葉にしていきたいと考えています」と力を込めた。

自国開催だった19年大会後は、23年にフランス大会が行われ、27年オーストラリア大会、31年米国大会と続く。35年大会に関して他の立候補国は発表されていないが、歴史上は2大会に1度は欧州での開催となっており、欧州目線では27、31年で初めて間に2大会入ることになる。岩渕健輔専務理事(50)は「欧州でも開催したいと思っている国もあると思うが、今後ラグビーがさらに世界的なスポーツに発展するために、日本が発信できるメッセージがある」とした。開催に関して単独、共同は未定で、今後の調整となっていく。

記者会見には本年度の全国大学選手権で優勝した明治大からクボタスピアーズ船橋・東京ベイへの入団が決まっているフランカー利川桐生副将(22)、準優勝した早稲田大から東京サントリーサンゴリアスへ加入するCTB野中健吾主将(22)が出席した。利川は「19年の(日本の)スコットランド戦を見て、日本中があれだけラグビーをやっている選手たちを応援していることが誇らしかった。『あの舞台に立ちたい』と思いました」。野中も「2035年に出場するイメージを持ちながら、僕自身、サントリーで成長していきたいと思います」と誓った。【松本航】