◇米国男子◇ザ・アメリカンエキスプレス◇ピート・ダイ・スタジアムコース(7210yd)、ニクラス・トーナメントコース(…
◇米国男子◇ザ・アメリカンエキスプレス◇ピート・ダイ・スタジアムコース(7210yd)、ニクラス・トーナメントコース(7147yd)、ラ・キンタCC(7060yd=すべてパー72、カリフォルニア州)
米国本土の初戦は、例年クラブメーカー各社がこぞって新製品をお披露目する絶好の機会だ。練習グリーン周りには、所狭しと各社のパターが陳列されていた。
中でも目を引いたのが真っ白なパターの一群。「PING」の名が入ったバッグの横に、ネオマレット系のヘッドが並んでいた。ヘッド上部は白色で、アライメントの黒い線が入り、フェース側にはドットが入る。ソールには黒いプレートのようなものがついていた。
1本を取り上げてソールを見ると、モデル名と思しき「SCOTTSDALE TEC」(スコッツデールテック)の文字が入っていた。ヘッドは、「ALLY BLUE ONSET」(アリーブルー オンセット)、「HAYDEN」(ハイデン)、「KETSCH ONSET」(ケッチ オンセット)の3機種で、オンセットではないネック違いのモデルも用意されていた。それにしてもこの白パターたちはいったいどんな性能なのか。その場にピンの主任設計エンジニアであるトニー・セラーノ氏がいたので、話を聞いてみることにしよう。
「これらのマレット型パターは、シャフト位置を重心に合わせたオンセット仕様によって、ストロークを安定させることを狙いました」とセラーノ氏。確かにアリーブルーとケッチに関しては、シャフトの挿さる位置がフェースよりもだいぶ内側に入ったオンセットになっている。ややフェースバランスであり、「アルミニウムを背面に配置した重量配分によって重心を低くでき、さらに寛容性を高める設計ができました」と説明を重ねた。
それにしても、この白色は何から着想を得たのだろうか。セラーノ氏はよくぞ聞いてくれたとばかりに目を細め、「ここにはエピソードがあります」と切り出した。
「60年代後半から70年代初頭に、ピンの創業者であるカーステン・ソルハイムが白いモデルのヘッドを試作していたんです。実際には販売されなかったそうですが、その試作品は今もピンの本社のあるフェニックスに残されており、彼の孫で現社長のジョン・K・ソルハイムがそのパターを見て『これを作ろう』と決めたのです」。白は芝とのコントラストが鮮やかで、視認性が高く、アライメントにも有効だという。
その白パターを気に入ったというビリー・ホーシェルが、グリーン上で時間をかけてボールを転がしていた。見ている限り、そのまま本番投入されるのはほぼ確実に思えた。
かつてテーラーメイドに「GHOST(ゴースト)」というパターがあったが、ピンの「スコッツデール テック」はそれを思い起こさせる。時代を越えて白いパターが再び登場するのはやはり偶然ではないだろう。パター開発の歴史は繰り返される。(カリフォルニア州ラ・キンタ/服部謙二郎)