メジャー通算2725安打でも消えぬ悪評 メジャーリーグの歴史に名を刻んだ名打者が、歓喜の影に隠れた葛藤を明かした。全米野…

メジャー通算2725安打でも消えぬ悪評

 メジャーリーグの歴史に名を刻んだ名打者が、歓喜の影に隠れた葛藤を明かした。全米野球記者協会(BBWAA)による殿堂入り選手が20日(日本時間21日)に発表され、カルロス・ベルトラン氏が選出された。通算435本塁打を誇るレジェンドだが、その心中には2017年の「サイン盗み問題」による深い後悔が今も残っている。

 ベルトラン氏は資格4年目にして、当選ラインの75%を大きく上回る84.2%の得票率でクーパーズタウンへの切符を掴んだ。輝かしいキャリアを誇る一方で、引退後に発覚したアストロズ時代の不祥事が、長らくその評価に影を落としてきた。2017年のワールドシリーズ制覇の裏で行われた、ゴミ箱を叩いて打者に球種を知らせるサイン盗みに関与。この影響で、一度は決まっていたメッツの監督就任も白紙になるなど、代償はあまりにも大きかった。

 21日(同22日)に行われたZoomでの記者会見で、複雑な胸中を吐露する様子を地元紙「ニューヨーク・ポスト」が報じた。ベルトラン氏は「アストロズの件が話題になってきたのは間違いないし、自分にとってポジティブなものではなかった」と明かし、「自分のキャリアや、野球という競技の中で起きたことを振り返ると、悪い判断をすることもあった」と、現役最終年に手を染めた過ちを悔やんだ。

 現在はメッツの特別アドバイザーを務めるベルトラン氏は「現役を引退した時、自分が築いてきたすべてが失われてしまうのではないかと思った。しかし野球界に戻ってきてからは、私がどんな人間かを知っているチームメートなどからの愛情を受け続けている」と語る。だが、同時に「これは勝てない戦いなんだ。あの一連の出来事について、どれだけ自分の行動に対して言い訳を試みても、私は勝てない。一部ファンからの評判は失ってしまった」と語っていたこともあり、現場復帰しても世間の視線は依然として厳しいことも理解している様子だった。

 殿堂入りという最高の名誉を手にしてもなお、消えることのない不祥事の記憶。かつてのスターは、自らの過ちを背負いながら、野球界に償いの意味を含めて貢献を続けていくことになる。(Full-Count編集部)