タッカーは2022年にGG賞獲得…走攻守に総合力で勝負 ドジャースは21日(日本時間22日)、カブスからFAとなっていた…

タッカーは2022年にGG賞獲得…走攻守に総合力で勝負

 ドジャースは21日(日本時間22日)、カブスからFAとなっていたカイル・タッカー外野手と4年2億4000万ドル(約380億円)で契約合意したと発表した。大谷翔平を筆頭に巨額契約のスターを並べながら、またもメガディールを成立させた。ワールドシリーズ連覇を果たし、黄金時代を謳歌する最強軍団が、これほどの資金を投じてまでタッカーを求めた理由はどこにあるのか。

 この日の入団会見に出席したブランドン・ゴームズGMは「カイルは、オフシーズンを通して我々が本当に欲しかった数少ないFAの一人だった」と力強く語った。2024年オフから獲得の噂は絶えなかったが、昨シーズンの戦いを通じて、その“必要性”は確信へと変わった。

 要因の一つが、テオスカー・ヘルナンデス外野手の低迷だ。2024年からドジャースに加わったテオは33本塁打&99打点の好成績をマーク。勝負強い打撃で何度もチームを救い、ワールドシリーズ制覇に導いた。優勝セレモニーで涙を流して残留を希望。3年6600万ドル(約104億円)で再契約した。

 もっとも、故障の影響もあってか打撃成績は前年より悪化。何より右翼守備での“やらかし”が目立った。もともと、守備で違いを作る選手ではなかったが、昨季の「OAA」(守備でどれだけアウトを奪ったかを示す指標)は外野手全体でワースト6位の-9にとどまった。

 その点、タッカーは大きな利得を生む可能性が高い。アストロズ時代の2022年にゴールドグラブを受賞するなど守備の評価は上々で、シルバースラッガー賞を獲得した2023年は30盗塁を記録するなど、ドジャースに欠けている守備・走塁の大幅な向上が見込める存在だ。

 デーブ・ロバーツ監督は、タッカーを右翼、テオを左翼に回す構想を明かした。守備負担の軽減によりテオの打撃復活を促すという、チーム全体を活性化させる「相乗効果」を狙っている。

大谷31歳…主力打者で20代はパヘスだけ

 そして、ドジャースに忍び寄る“高齢化”に歯止めをかける存在としても、タッカーは期待される。

 ドジャース打線は、1番の大谷が31歳、ムーキー・ベッツ内野手は33歳、フレディ・フリーマン内野手は36歳と、アンディ・パヘス外野手(25歳)を除いて主力全員が30代を迎えている。いずれも年齢を感じさせない活躍を見せているとはいえ、ベッツは昨季打撃不振だったことを考えると、楽観視することはできない。その点、17日(同18日)に29歳の誕生日を迎えたばかりのタッカーは脂の乗った時期でもあり、チームの「新陳代謝」を促す戦略的投資だ。

 ドジャースは1998~2000年のヤンキース以来となる3連覇を目指している。過去を振り返ると、ワールドシリーズを2年連続制覇したのはわずか8チーム。21世紀では一度もなかった。そもそも、そこまで勝ち上がることすら困難であり、3連覇という偉業に挑む権利も、名門ドジャースといえども、今後手にできるかは分からない。

 その高い壁に挑む権利を得た今、ドジャースは過去の成功に安住せず、常に“今この瞬間”のベストを追求している。歴史に名を刻む「最強王朝」を築くため――。タッカー獲得という最後の一手は、勝つべくして勝つための、あまりに理にかなった一手である。(Full-Count編集部)