NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン2 第4節2026…
NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第4節
2026年1月18日(日)13:00 AGFフィールド (東京都)
日野レッドドルフィンズ 14-24 清水建設江東ブルーシャークス
継続して、できることをどん欲に。開幕4連勝の背景にあった“スペシャルなストーリー”
今季初出場を果たした清水建設江東ブルーシャークスの髙井優志選手
ロッカーアウトの際、メンバー入りした仲間たちを誰よりも大きな声で激励し、手荒に肩を叩いて見送る。清水建設江東ブルーシャークスの髙井優志は、メンバー外の選手としてできることを最大限積み重ねることでチームに貢献してきた。明るく元気印のような普段からの振る舞いには、「チームのメンタリティーも上がるんで。自分の強みとして意識しています」と、チームを思う気持ちがあふれている。一見天性のもののようだが、幼少期は恥ずかしがり屋だった。ラグビーを通じて、次第に周囲に明るいエネルギーを与える部分が培われてきたという。
今季3年目の髙井は、1年目にはけがなどが続き、なかなかチームにコミットできない時期を過ごした。続く2年目の昨季、第5節で初めて出場機会を得ると、第7節まで先発で起用される。しかし、結果的に出場はその3試合にとどまった。そして今季、第4節にしてついに先発の座をつかんだ。
「僕はスペシャルな選手ではないので」
同じポジションには、スピードと決定力を武器に結果を残す選手がいる。トライという分かりやすい指標では、自分は目立たない存在かもしれない。だからこそ、自らの強みを別の場所に見出してきた。体を張ること。泥臭く、どん欲にプレーすること。明るく前向きでいること。そして“当たり前”を積み重ねること。
その原点は、キャリアの変遷にある。
小学生のころはウイングとしてトライを量産し、ラグビーの楽しさに夢中になった。流通経済大学で体作りと向き合う中で、新たな喜びに目覚める。「自分より大きな相手をタックルで倒すのが快感なんです。いまはトライよりもディフェンスが好き。周りからは『変なヤツ』って言われますけど(笑)」。そうしたプレーを楽しみ、かつチームに活力を与えられる存在は、十分“スペシャル”といえるだろう。
今季、チャンスを引き寄せた背景には、見えない努力がある。
シーズンオフ。チームの練習がない日でも、クラブハウスに足を運び、ウエイトトレーニングを重ねた。「みんなが休んでいる時間にやらないと差は埋まらない」。その積み重ねが実った。
彼のひたむきさはチームメートの松尾磨人とともに昨秋出場した『第79回国民スポーツ大会成年男子7人制ラグビー』でも発揮された。すでに今季のプレシーズンマッチが始まっていた時期だが、監督に「頑張ってこい」と背中を押され、東京都代表として奮闘。広いエリアを守る7人制での経験が、“個のタックル力”を一段階引き上げた。
「7人制で個人のレベルを上げ、15人制で横との連係を深める。それがいまの自分のディフェンスに生きています」
どこまでもどん欲に、自分ができることを継続するまっすぐな姿勢。清水建設江東ブルーシャークスの開幕4連勝にはスペシャルなストーリーがあったのだ。
(奥田明日美)
日野レッドドルフィンズ

日野レッドドルフィンズの苑田右二ヘッドコーチ(左)、中鹿駿キャプテン
日野レッドドルフィンズ
苑田右二ヘッドコーチ
「本日はホストゲームとして、素晴らしい天候の中で試合ができたことを非常に感謝しています。
試合については、セットピースが安定せず、攻撃の時間が短くなり、そのぶんディフェンスをする時間が長くなってしまいました。そうした場面が今日の結果の大きな要因だと感じています。もう一度セットピースを修正し、われわれが目指している日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)らしいラグビーをしっかり表現できるよう、次の豊田自動織機シャトルズ愛知戦に向けて準備していきたいと思います。本日はありがとうございました」
──新加入選手を積極的に起用していますが、チームの流れは変わってきているのでしょうか。
「今季は(昨季から)メンバーも変わっています。その中でわれわれはベストなラグビーをしなければなりません。練習を含めて、良いパフォーマンスをしている選手を試合に起用し、チームとして最大限の力を発揮できるようにしています。
試合に出る選手は、その試合ごとに自分たちのスタンダードを上げて、(試合後には、着用した)ジャージーを(チームに)戻し、そして次の試合にまたあらためてジャージーを着るための競争をする。そうした流れを作ることで、シーズンをとおしてさらに成長できると考えています。長いシーズンの中では、けが人や調子が上がらない選手も出てきますので、パフォーマンスを発揮している選手をしっかり見極めながらチーム内競争を促していきたいです」
日野レッドドルフィンズ
中鹿駿キャプテン
「本日は、AGFフィールドで試合ができたことを、まずはうれしく思います。苑田ヘッドコーチも話したとおり、セットピースが安定せず、なかなか自分たちのボールにできなかったことが今日の敗因だと思っています。2週間後には次の試合が控えていますので、それまでにしっかり修正して、また頑張っていきたいと思います。本日はありがとうございました」
──ディフェンスのあとに流れをつかめない原因はどこにあると考えていますか。
「ゴール前でスティールするなど、良いディフェンスができた場面もありましたが、そのあとに良いプレーを継続できなかったことが課題です。セットピースの不安定さやペナルティを重ねてしまったことで、自分たちの流れを作れませんでした。良いプレーを連鎖させて攻撃につなげる。その部分でつまずいてしまったと感じています」
清水建設江東ブルーシャークス

清水建設江東ブルーシャークスの仁木啓裕監督兼チームディレクター(左)、安達航洋キャプテン
清水建設江東ブルーシャークス
仁木啓裕監督兼チームディレクター
「まずは開催にあたり、ご尽力いただいた関係者の皆さま、協会関係者の皆さまに心より御礼申し上げます。昨季は日野RDに最終戦で敗れて入替戦に回ることが決まり、あの悔しさと光景は今でも目に焼き付いて忘れられません。その思いを抱えながら『タフにやり切ろう』と過ごしてきた中で、選手たちは本当に成長したと感じています。
開幕4連勝は、おそらく清水建設江東ブルーシャークス史上初だと思います。シーズン前から『史上最強のチームだ』と言ってきましたが、まず現実として4連勝で花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)に挑戦できるのは非常にうれしいです。ただ、ここがゴールではありません。まずは日野RDに勝利をするという目標を達成して、その次に、ディビジョン1昇格を目指している以上、次の目標に向けて明日からまた取り組んでいきたいと思います。本日はありがとうございました」
──連勝を継続するために必要なことはなんでしょうか。
「これで終わりではなく、ようやくスタートラインに立った、という認識です。昨季はシーズンをとおして5勝1分8敗という成績であり、まだそれを超えたわけではありません。
まず4連勝をしたというところはチームとしても成長を感じますし、喜ぶべきところかと思います。しかし、昇格を目指す上で、花園Lは必ず勝たなければならない相手です。昨年は1勝させていただいていますが、相手の状況を見ても格上であることは分かっています。私たちは泥臭くチャレンジし続けるチームですので、4連勝で得た挑戦権をしっかり実感し、ここからの約3週間を花園L戦にフォーカスして準備していきます」
清水建設江東ブルーシャークス
安達航洋キャプテン
「シーズンの中でも日野RDとの試合は重要な一戦になると監督とも話していましたし、チーム全員が認識していました。まずは序盤に、相手はフィジカルを強みに持つチームなので、こちらから前に出ていこうと話し、先制できたことは良かったと思います。
また、これまでの3試合は規律の部分でペナルティが多く、流れに乗れない場面がありましたが、今日はこれまでの3試合と比較して規律を保つことができ、我慢強く守れたことが勝因だと感じています」
──昨季との違いや、4連勝できているポイントはなんでしょうか。
「チーム全体の底上げができている点です。昨季は前半に良いゲームができても、後半にエナジーが出せず、逆転されて負ける試合が多かったです。今季は後半から出るメンバーがエナジーを与えてくれて、ディフェンスでも前に出て引っ張ってくれています。そこが昨季との違いだと感じています」