阿部監督にとっても就任3年目の今季は勝負がかかる年となる(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext…

阿部監督にとっても就任3年目の今季は勝負がかかる年となる(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext

 元近鉄OB、野球評論家の佐野慈紀氏が現在の野球界を独自の視点で考察する「シゲキ的球論」。今回は楽天からベテランの則本昂大を獲得した巨人をクローズアップする。

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 楽天から海外FA権を行使した則本が巨人に入団を決めた。3年総額13億円の大型契約ともされ、阿部慎之助監督も先発ローテーションの一人として期待をかける。 

 佐野氏は則本に関して「コンディションに不安があるわけではないので、ローテーションは任せられる。状況により勝ち星の変動はあるだろうが、チームはある程度計算しているはずなので1、2か月でローテを外されるということはないでしょう」と見通しを語る。

 何より強打者ぞろいのパ・リーグで先発から守護神まで豊富なキャリアが光るとあって「まずは夏まではいけるでしょう。パ・リーグで揉まれているので楽しみですよね」と期待を寄せる。

 その上で、剛腕加入により若手投手陣に与える影響も注目されている。先発ローテーション争いは限られた椅子とあって押し出される投手も出てきそうだ。

 ただ、この点について佐野氏は「厳しいことを言えば、まだまだ若手が台頭するような状況じゃない。戸郷も昨季は調子が上がらなかった」と手厳しい。

 昨季、先発陣で規定投球回をクリア、2桁勝利をマークしたのも山崎伊織のみ。2年連続開幕投手を務めた戸郷翔征も貯金を作れなかったとあって、先発としても実績十分の則本には期待がかかる。

 競争激化で若手の西舘勇陽、赤星優志、左腕では森田駿哉、横川凱などは危機感を覚えるだろうが、しっかりやるべきことをやってアピールが必要と見る。

 佐野氏も投手陣運用に関しては「まずはシーズン序盤はベテランに任せて、若手はそれ以降。阿部監督も今季は背水の陣ですからね」と就任3年目となる阿部監督も開幕当初は“安定”を目指すとした。

 さらに佐野氏はこうも続ける。

 「ただ、阿部監督の野球というものがどういうものなのか。申し訳ないけど僕には見えてこない。もう少し、阿部監督の色というものを出して欲しい」と注文をつけることも忘れなかった。

 首脳陣では今季からかつてのチームメイトでもあるイ・スンヨプ氏を一軍打撃コーチとして招へいした。

「日本野球を知ってるのはプラス。コーチング力は未知数ですが、いまのチームにスンヨプの打撃スタイルがマッチする選手がいるのかという点は気になります」とコメント。

 「キャベッジなのか大城の再生なのか。左打者で大きいの打てる選手いませんよね」と昨季チームでは助っ人のキャベッジがマークした17本塁打が最多とあって、かつて左の大砲として一世を風びしたスンヨプ氏の招へい効果にも注目が高まるとした。

 最後には「とにかく昨季は勝てなかったんだから、チーム全体でアップデートすることが大事です」と締めくくった。阿部巨人の巻き返しに期待だ。

【さの・しげき】

1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。

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