ダカールラリーの2026年大会は最終日となる1月17日、ヤンブーをループするステージ13、105kmを走行し、ナッサー・…

ダカールラリーの2026年大会は最終日となる1月17日、ヤンブーをループするステージ13、105kmを走行し、ナッサー・アル‐アティヤ(ダチア・サンドライダー)が自身6度目となる総合優勝を飾った。

この日のステージは、マティアス・エクストローム(フォード・ラプター)がトップタイムをマーク。セバスチャン・ローブ(サンドライダー)が2番手タイムで続いた。

一方、アル‐アティヤはペースをコントロールして堅実にフィニッシュを目指し、9分42秒のリードを残して31番手タイムでまとめ、優勝を手にした。
「ダカールで、これほど行方の分からない勝負となったのは初めて」と上位ドライバー陣が口を揃えて言うほど予測不能の戦いとなった今回のダカール。しかし、アル‐アティヤは、最初から最後まで、巧みにコントロール。特に、理想的なスタートポジションを確保することが極めて重要だった2日間に顕著に表れ、冷静沈着でほぼ完璧な戦略で勝ち抜いた。

300kmに及ぶ砂丘の海が舞台となったステージ6で、アル‐アティヤはトップ5が12分差にひしめく混戦状態のなか、トップでヤンブーに到着した。2度目のマラソンステージでは、マシュー・セラドーリに続く2番手スタートで、決定的な差をつけた。そして仕上げとして、最後のヤンブーに猛然と向かい、最終ステージの前で通算50度目となるステージウインをマークし、勝利を確定的なものとした。ダチア・サンドライダーにとっては、初めてのダカール優勝、アル‐アティヤにとっては、フォルクスワーゲン、ミニ、トヨタに続いて4モデル目でのダカール制覇となった。
「スタートから、今回勝てると信じてきた」とアル‐アティヤ。
「ダチアのプロジェクトを0からスタートさせ、開発にも深く関わってきた。そして、ダカールで勝つことができた。コ・ドライバーのファビアンやチームに心から感謝している。6度目のダカール優勝を飾ることができて、本当にうれしいよ」



Marcelo Maragni / Red Bull Content Pool

フォード・ラプターを駆るスペインのナニ・ロマは、フィニッシュラインが見えてきたところでアル・アティヤのすぐ後ろまで迫っていた。二輪と四輪ですでにダカール優勝を経験しているロマだが、最終1本前のステージが、アル‐アティヤに逃げ切られた瞬間として受け止めているようだ。

「昨日、ステージフィニッシュの50m前でタイヤが破損したが、まだチャンスをあると信じ続けた」とロマ。
「そして今日、2位でフィニッシュした。逃げ切ったナッサーを称賛するしかないね」



Marcelo Maragni / Red Bull Content Pool

今回、4台のラプターを投入したMスポーツ勢は、チームメイトのマティアス・エクストロームが3位に入り、2‐3フィニッシュを達成。カルロス・サインツ、ミッチ・ガスリーも、5位、12位でフィニッシュした。DTM、世界ラリークロス選手権でも活躍してきたエクストロームは、ステージ優勝で締めくくった今回のダカールで、成功と失敗の境界線は紙一重であることを実感した。
「ポディウムフィニッシュはうれしいが、今回は優勝を目指していた。ダカールは、よりサーキットレースのような感じになっていて、細部にまでこだわらなくてはならなくなってきた」とエクストロームはダカールでの戦いの厳しさを語った。



Kin Marcin / Red Bull Content Pool

ローブは、6度目のダカールで、わずか37秒差でポディウムを逃した。それでも同じくサンドライダーを駆るルーカス・モラエス、クリスティーナ・グティエレスとともに、アル‐アティヤの優勝を祝福した。
「最終的に4位で終えられたので、悪くないラリーだった。ダチアが優勝できたのだから、それが目指していたこと。自分も4位以上にいけたかもしれないが、ナッサーが素晴らしい走りを見せたので優勝は難しかっただろうね」とローブ。

一方、ラリーの大部分において、アル‐アティヤを先行する可能性が最も高かったのは、トヨタ・ガズーレーシングW2RCのヘンク・ラテガン(トヨタDKR GRハイラックス)だった。しかし、数々のパンクやフロントガラスが粉砕されるアクシデント、サスペンションのトラブルなど、メカニカルトラブルに悩まされ、ステージ11でベアリングの破損で優勝の望みが断たれた。
「フラストレーションのたまるダカールだった。厳しい日の後は、先へ進むために自らを奮い立たせていた。あのホイールベアリングが破損した時、まだ優勝争いをしていたなんて信じられなかった。あの位置にいたのに脱落してしまったのは、今でも少し悔しい」とラテガン。



Kin Marcin / Red Bull Content Pool

しかし、チームメイトのトビー・プライスとセス・キンテロはトップ10フィニッシュを飾った。
「トップ10フィニッシュを目標にしていたので、8位に入れてうれしい。もちろん、最終的な目標は優勝だが、経験豊富なライバルたちに立ち向かうのは、高い壁だからね」とプライス。

ダカール2026最終結果
1 N.アル‐アティヤ(ダチア・サンドライダー) 48:56:53
2 N.ロマ(フォード・ラプター) +9:42
3 M.エクストローム(フォード・ラプター) +14:33
4 S.ローブ(ダチア・サンドライダー) +15:10
5 C.サインツ(フォード・ラプター) +28:30
6 M.セラドーリ(センチュリーCR7) +45:02
7 L.モラエス(ダチア・サンドライダー) +47:50
8 T.プライス(トヨタDKR GRハイラックス) +52:07

2台のトヨタ・ランドクルーザー300 GRスポーツがストッククラスを戦うチームランドクルーザー・トヨタオートボデーはステージ12、501号車の三浦昂が155km地点で、エンジンのオイル系トラブルによりストップ。修復が難しくデイリタイアを決断し、アシスタンスとラックに牽引されてヤンブーに向かった。503号車のロナルド・バソは、フィニッシュ手前100km地点でステアリング系トラブルが再発したものの、クラス4番手でステージを走り切った。しかし、トラブルの影響で深い砂丘に設定された通過地点に到達できる、45分のペナルティを受け、累積では3番手を守ったものの、2番手とのリードが広がった。

三浦は「2回目のデイリタイアはとても残念でした。SSは思った以上に大変で、タイヤを4本パンクさせてしまったこと、タイヤの空気圧とパンクさせない走行ペースの配分など、ダカールラリーの厳しさ、難しさを改めて感じています」と振り返った。

日野600シリーズでプロトタイプトラックのT5クラスに参戦する日野チームスガワラは、250㎞地点付近で駆動系トラブルに見舞われストップ。約4時間半をかけて自力で応急処置を施し、クラス25番手でステージをフィニッシュした。

菅原は「今日は石にケアしながらパンクもせず、良い調子で走っていたのですが昨年に続いてトランスファーのトラブルが出てしまい残念です。壊れる直前に路面側からの入力はありましたが、大きくなかったので原因としては腑に落ちません」と語っている。