「体力を投下して自分の目標や夢を達成できる期間に一番大きな挑戦を」 カブスとマイナー契約を締結した慶大・常松広太郎外野手…

「体力を投下して自分の目標や夢を達成できる期間に一番大きな挑戦を」

 カブスとマイナー契約を締結した慶大・常松広太郎外野手が19日、横浜市内の同大日吉キャンパスで会見を行った。米金融業界大手のゴールドマン・サックス(GS)から内定を得ていたが、決断した夢への挑戦。父に電話で伝えた際には「まじか」という反応があったことも明かした。

 晴れ晴れとした表情で、カブスのユニホームに袖を通した。夢のメジャーへの道のりは、長く険しいかもしれない。それでも「20代という人生の中で一番、体力を投下して自分の目標や夢を達成できる期間に、一番大きな挑戦をしたいなと思ってこの度挑戦させていただきました」と目を輝かせた。

 小学1年生のときに野球を始め、商社マンの父の転勤により小学4年から6年までを米ニューヨークで過ごした。その後帰国して、慶応湘南藤沢の中等部、高等部で学び、慶大野球部では4年秋のリーグ戦で3本塁打を放つなど主軸として活躍。就職活動では最難関ともいわれるGSから内定を得ていたが、カブスからオファーが届き「現実かなと思うくらいビックリもしました。だけど聞いて、自分の中で腑に落ちて、面白い人生になるなと思いました」と心境を語った。

 GS内定を“断る”ということを伝えるために、まずは父に電話をかけた。「『俺カブスへ行こうかと思っているんだよね』と言ったら『おお、まじか』って。『GS行っていい車乗っていい家に住んでいい生活が待っていると思うよ』というちょっと心配の一言もあったんですけど、やっぱり最終的には僕がそういう決断をしたというところで、父親としては『それなら思い切って行ってこい』と背中を押してくれました」と感謝すると、会見を見守った両親からも穏やかな笑みがこぼれた。

 また会社に足を運び、携わってくれた方々に直接思いを伝えると、こちらも挑戦を後押ししてくれたという。「採用枠を僕に使っていただいて、長い選考プロセスで選んでいただいたので、まずは全員が納得する形じゃないとダメだと思いました。全力で頑張ってこいという言葉をかけてくださったので、改めてGSが大好きになりましたし、この会社に元々行こうと思った自分の過去の決断が良かったと思います」。多くの人の思いも胸に、新たな世界に飛び込むことになる。

「マイナーからスタートしますし、僕がプレーを始めるカテゴリはまだ決まっていないですけど、小さい頃からの憧れの舞台を目指して頑張れるのは本当に恵まれていると思うので、そこを思い切り楽しんで頑張っていきたいなと思います」と常松。“異例”とも思える道も、この男なら切り拓いていきそうだ。(町田利衣 / Rie Machida)