NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン1 第5節(リーグ…
NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第5節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年1月17日(土)14:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
浦安D-Rocks 27-38 東芝ブレイブルーパス東京
ラスト20分、日本で一番動けるチームに。変わり始めた浦安DRの文化
浦安D-Rocksの飯沼蓮選手。「本当にどのチームでも本気で勝つつもりで今季はやっています。だって、めちゃくちゃキツい練習をしていますから」
その表情は、猛烈な悔しさと多少なりの清々しさが絶妙に入り混じる“いいもの”だった。
脳振盪の疑いがある佐々木柚樹ゲームキャプテンの代わりに試合後の会見に登場した飯沼蓮は、「座る席って決まっていましたっけ? 久しぶりなんで」と会場の笑いを誘ったが、マイクを握ってからの言葉には強い意志がこもっていた。
「自分たちのプランを実行できていた時間は本当に良くて、それを80分間続けられたら勝てる試合だったという思いと、昨季の王者を相手にすごくたくさんの学びを得られたという思いの試合でした」
今季初めてベンチスタートとなった飯沼に、出番が回ってきたのは勝負どころの後半21分だった。「個人としてはインパクトをしっかり残そうと、キックとテンポを意識しました」。その言葉どおり、いきなり仕事をする。投入から1分足らず、左サイドでの自らのハイキックをケレブ・カヴバティが再獲得したプレーを起点にボールを右サイドに展開し、駆け上がるシェーン・ゲイツとタナ・トゥハカライナにしっかりと付いていきトライ。コンバージョンキックも決まり、2連覇中の王者に4点差まで迫った。しかし、そのあとに試合を決定付けるトライを東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)に奪われ、結果は力負け。この結果と現実に飯沼はストレートに言葉を吐き出す。
「(敗れたとはいえ)見方を変えれば、BL東京さん相手にここまでのゲームができたと思うかもしれないですが、今季の浦安D-Rocks(以下、浦安DR)はそこで満足するようなチームではないです。みんなの顔を見ていても全員が悔しがっていたし、(昨季までと比べて)文化や一人ひとりの意識は変わっていると感じています」
グラハム・ラウンツリー ヘッドコーチを招へいした浦安DRは今季、『ラストクウォーターチーム』をキーワードに掲げ、日々、過酷なトレーニングに取り組み、メキメキと力を付けている。
「自分たちの今季の強みは後半20分以降です。今日は最後の最後にBL東京さんにトライを取られてしまいましたけど、もっと練習から積み上げて、ラスト20分は自分たちが日本で一番動けるチームになるためにやっていかないといけないとあらためて思いました」
ミックスゾーンで再び顔を合わせた飯沼はすっきりしたような顔で言った。「本当にどのチームでも本気で勝つつもりで今季はやっています。だって、めちゃくちゃキツい練習をしていますから。昨季12位のチームがここまで変われるのがラグビーの面白いところですよね。みんなも成長を感じていると思いますよ」。
BL東京との再戦は約3カ月後の4月5日。ここから浦安DRはまだまだ強くなる。
(須賀大輔)
浦安D-Rocks

浦安D-Rocksのグラハム・ラウンツリー ヘッドコーチ(右)、飯沼蓮選手
浦安D-Rocks
グラハム・ラウンツリー ヘッドコーチ
「まずは東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)さん、勝利おめでとうございます。王者らしくプレーしていたと思います。自分たちにおいては、終盤に選手たちが良いプレーを見せて、よく戦ってくれたと思っています。終盤、ブレイクダウンの勢いが止まってしまった部分があり、そこは不運なところもありましたけど、自分たちのどこに問題があったかを見つめ直したいと思います。最低でも34対38のスコアラインで終えるべき試合だったと思います」
──昨季はいい成績ではなかったチームですが、まずはヘッドコーチの専門分野であるスクラムから伸ばしていこうと考えていたのでしょうか。
「ヘッドコーチとしてはラグビーにおけるすべての分野に精通していないといけません。ただ、その中で特にフォワードは勝敗に関わってくると思います。自分が入ってきて大きく見つめ直した部分は規律です。簡単に負けない不屈のチームを作る思いでこのチームのヘッドコーチになりました。やりたいラグビーは、ボールを動かして、ボールインプレーの時間を長くする。フィールドからボールを蹴り出さずに、疲れた中でのスキルやフィットネスを発揮するチームを目指しています。スクラムがすべてではないですが、今日はいいスクラムを組めていたと思います」
浦安D-Rocks
飯沼蓮選手
「試合を振り返ると、自分たちのプランを実行できていた時間は本当に良くて、それを80分間続けられたら勝てる試合だったという思いがあると同時に、昨季の王者相手にすごくたくさんの学びを得られた試合だったと思います。特にブレイクダウンのところですね。自分たちもプレシーズンからブレイクダウンには特に力を入れてきましたけど、より改善していかなければならないと感じました」
──飯沼選手は投入直後にトライを奪うなど、スコアであと一歩まで迫りながらも届きませんでしたが、グラウンドに立った20分間をどう振り返りますか。
「個人としてはインパクトをしっかり残そうと、キックとテンポを意識しました。浦安D-Rocks(以下、浦安DR)の今季の強みは後半20分以降で、"ラストクウォーターチーム"を掲げているので、あえてゲームを切らずにハイボールを上げて、再獲得して試合をかき乱していこうという部分は体現できたと思います。でも、最後の最後にBL東京さんにトライを取られてしまいました。もっと練習から積み上げて、ラスト20分は自分たちが日本で一番動けるチームになるためにやっていかなければいけないとあらためて思いました」
東芝ブレイブルーパス東京

東芝ブレイブルーパス東京のトッド・ブラックアダー ヘッドコーチ(右)、松永拓朗バイスキャプテン
東芝ブレイブルーパス東京
トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ
「選手たちのことを誇りに思います。浦安DRさんは昨季とは違うチームとして見ていて、リスペクトして準備して臨んだゲームでした。試合の入りはすごくいい形で進められて、用意してきたものもしっかりと遂行できたんですけど、中盤はミスが重なってしまいました。ただ、選手たちはそのミスも次の仕事でポジティブな結果に変えていこうとしっかりとやってくれたと思います。後半の立ち上がりにもしっかりとフェーズを重ねて、最終的にトライも取れて、BL東京らしさが出た一連のプレーを見せられたと思います。途中、4点差まで迫られてかなり苦しい展開になりましたけど、しっかりとあきらめずに勝利までの道を見つけてくれたかなと。最終的にはボーナスポイントを取れて、喜ばしい勝利になったと思います。結果も中身もここまでリーダー陣が引っ張って準備してくれた証かなと思っていますので、リーダーのみんなにも賛辞を送りたいと思います」
──勝った中で恐縮ですが、ペナルティの数について聞かせてください。前半はアタック回数が多くありながらペナルティによって得点が伸びなかったように感じました。
「今季に入ってから規律の部分はチームとしてしっかりと認識しながら改善している分野であることは間違いないですが、今日で言えば、ハーフタイム前にペナルティが連続で起きてしまった。ただのペナルティというよりも、自分たちがミスをして、そこで焦って次のフェーズでなんとか取り返さないといけないと頑張り過ぎて、ガムシャラになってペナルティを犯してしまうシーンがあったと思います。それでも、全体としてはこれまでの4試合と比べれば良くなってきたところはありますし、プレッシャーが掛かっている後半にペナルティを犯してしまうというシーンが少なくなってきていることは良い傾向かなと思います」
東芝ブレイブルーパス東京
松永拓朗バイスキャプテン
「今日のゲームは本当にタフなゲームでしたが、しっかりと勝ち切れたことはすごくいい結果だと思っています。アタックの部分では相手のプレッシャーがある中で、自分たちのスキルやテンポを使ってトライにつなげられたことが、自信になりました。ディフェンスの部分では浦安DRさんの強みであるキャリアーやボールを動かしてくる攻撃にすごく苦しむ部分もありましたが、我慢してディフェンスをできたので、そういう面でも自信の付いたゲームだったと思います。そういうゲームを勝ち切れたことがうれしいです」
──浦安DRのアタックに対してうまく守れないシーンもあったと思いますが、どう感じていますか。
「コネクションを僕たちは大切にしています。いまBL東京のディフェンスで大きな傾向としてあるのが、横とのつながりのちょっとしたミスが致命的なシーンにつながってしまっているところと、ラック周りに人が多過ぎてしまうということ。自分たちが思うようにディフェンスできないシチュエーションがあるので、コネクションをより良くすることが改善点だと思います」