NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン2 第4節2026…

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第4節
2026年1月18日(日)13:00 AGFフィールド (東京都)
日野レッドドルフィンズ vs 清水建設江東ブルーシャークス

清水建設江東ブルーシャークス(D2)


清水建設江東ブルーシャークスの野村三四郎バイスキャプテンは言う。「自分にスキがあるのが気持ち悪い」

野村三四郎が、ますます頼もしくなっている。昨季は李優河とともに全試合先発出場。大きなけがなくシーズンを走り抜き、フロントローに安定感をもたらし続けた。その存在はまさに、清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)の“土台”だ。

そして今季の野村は、ただ安定しているだけではない。今季から任されたバイスキャプテンという役割が、彼のプレーと言葉に、より濃い輪郭を与えている。

第3節・レッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)戦。野村はその週の練習で肘を痛めながらもフル出場した。本人は「これくらいじゃ『やらない』とは言えないですよ」と笑って言う。試合終盤までピッチに立ち続けたのは、展開上、下げにくい場面だったこともあるが、それ以上に、彼が自分に課している基準の高さがにじんでいた。

その基準は、これまでの歩みの中で磨かれてきた。練習が厳しいことで知られる名古屋市立西陵高校で研鑽を積み、同じく練習がハードなことで有名な京都産業大学へ進学。その理由は、「ちゃんと僕のプレーを見てくれて、当時ナンバーエイトだった僕に『プロップで来い』と言ってくれました。その信頼がありました」と振り返る。東海地区の高校生を、関西の大学が時間を掛けて見に来る。そうした熱意が野村にとって大きかったのだろう。

江東BSを選んだ理由も、実に彼らしい。「声を掛けてくれるのが一番早かったから」。早い時期から手を差し伸べてくれたチームへの誠実さを、彼は行動で返そうとする。キャリアの分岐点という重要な局面で、彼が大切にするのは人の心なのだ。

前節のRH大阪戦後、印象的だったのは「自分にスキがあるのが気持ち悪い」という言葉。江東BSの特徴である『社業とラグビーの両立』は、簡単ではない。それでも野村は、追い込まれる環境に身を置くことをどこか望んでいるようにも見える。「やっていない時間があると思うと、絶対に失敗する気がして」。オフの日に仲間のトレーニング報告がSNSに流れれば、ベッドの上でも「自分もやらなければ」と焦る。真面目過ぎるほどの責任感はバイスキャプテンとしての背骨になっている。

そして、その視線はさらに先も見ている。「日本代表にはなりたい。働きながらでも本気で目指せることを見せたい」。ただ夢を語るのではない。日々のスキを消し、目の前の1試合で修正し、積み上げる。野村の“スキのない生きざま”は、江東BSの歩みを、確実に前へと進めていく。

(奥田明日美)