NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン1 第5節(リーグ…
NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第5節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年1月17日(土)12:00 ニッパツ三ツ沢球技場 (神奈川県)
横浜キヤノンイーグルス vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ
埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1)
今節もリザーブでメンバー入り。埼玉パナソニックワイルドナイツのユアン・ウィルソン選手
ユアン・ウィルソンの言葉をたどると、そこには常に「楽しむ」という考え方がある。
南アフリカで生まれ育ったウィルソンにとって、ラグビーは競争である前に、日常だった。5歳を過ぎたころにボールを持ち、気づけば仲間と走り回っていた。だからこそ、いまも言い切る。
「楽しんでいなければ、良いプレーはできない」
結果や評価を追いかけるよりも、仲間と同じグラウンドに立てる時間を心から味わう。その姿勢が、プレーの根底にある。
ラグビーワールドカップ2019日本大会で目にした日本ラグビーの熱気が背中を押し、立正大学への進学を決意した。入学は2021年だったが、コロナ禍で1年時は来日できず、オンラインで授業を受ける日々。実際に日本の地を踏んだのは22年、2年生になってからだった。しかし大学の舞台でプレーした時間は、あまりに短い。3年生に進級した直後の23年4月、7人制ラグビーの大会で左ひざ前十字靱帯を断裂。懸命なリハビリの末、復帰目前までこぎつけたが、翌春の練習中に再び同じ箇所を負傷し、ラストシーズンも出場はかなわなかった。
「立正大学でプレーできたのは、2年のときだけでした」
青き瞳を、わずかに揺らした。
それでもウィルソンは、過去を嘆くよりも「いま、ラグビーができている」ことに目を向ける。埼玉パナソニックワイルドナイツに加入し、リーグワンの舞台に初めて立ったのは、大学を卒業して間もない昨季のプレーオフトーナメント3位決定戦。今季は開幕戦で一ケタの背番号もつかみ取った。
立正大学出身だが、大学時代はコロナ禍とけがでプレー機会は少なかった
チームの空気も、彼を前向きにさせている。「家族みたいな雰囲気がある」。国籍の違いは、ここでは関係ない。誰もが誰かを助ける空気感。若手が萎縮することもない。
学びも多い。ベン・ガンターにラクラン・ボーシェー、福井翔大。「彼らが何をしているのかを見て、それを自分のモノにしよう」と、努力を重ねる毎日だ。
スティールの入り方、体の使い方、ボールキャリーの角度。「すごいと思ったら、まずマネする」。世界レベルの技術をもつ先輩たちが、包み隠さず助けを出してくれる環境にも感謝する。
度重なるけがを経験したからこそ、そしてコロナ禍の苦難を経たからこそ知る、ラグビーができる喜び。ウィルソンが今日も全力でプレーする理由はただ一つ。ラグビーを、心から「楽しむ」ためだ。
(原田友莉子)