野球殿堂博物館は15日、今年の殿堂入りメンバーを発表し、エキスパート表彰で栗山英樹氏(64=日本ハムCBO)が選ばれた。…

野球殿堂博物館は15日、今年の殿堂入りメンバーを発表し、エキスパート表彰で栗山英樹氏(64=日本ハムCBO)が選ばれた。

栗山氏は、23年にエキスパート表彰の候補となり、4年目での殿堂入りが決まった。ファイターズ関係者として19人目、スワローズ関係者として20人目の殿堂入り。また、WBC日本代表監督として、4人目の殿堂入りとなった。

「野球殿堂入り通知式」に出席した栗山氏のスピーチの全文は以下の通り。

◆栗山英樹氏

お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。コミッショナーを始め、委員のみなさん、そして、原前監督、本当にありがとうございます。そして、マスコミのみなさん、いつもはチームのためであるとか、選手のために集まっていただきましたけど、今日は本当にお忙しい中、個人的なことで集まっていただきまして、本当に感謝しております。

まさか、テスト生でプロ入りした自分がこういった、長きにわたって野球ができるとは本当に思っていませんでした。小学校の時、王さん、長嶋さんに憧れて、初めて後楽園球場に王さんのホームランを見に来ました。そして、中学校の時、当時甲子園で大活躍していた東海大相模高校、原辰徳選手に憧れて、中学校の時、東海大相模のセレクションを受けに行きました。その時、原さんに偶然お会いして、原さんは全く覚えてないんですが、「頑張れよ」と一言かけていただきました。そして、実は中学校の時に硬式の野球をやってたんですけど、青バットの大下さんのチームと試合をする機会がありまして、初めて、本当にプロ野球で成績を残された方にお会いしたんですけど、大下さんに呼ばれて、「君、頑張ったらね、プロ野球の選手になれるかもしれないから、頑張れ」って実は声をかけていただいたことがありまして、いかにですね、そういった子供の時のそういう先輩方、そして素晴らしい選手の皆さんの出会いというのが大きな力を与えてくださるのかっていうのは今、実感しています。

高校に進みまして、亡くなりましたけど、稲垣監督に野球の基礎を教わり、そして大学からテストでプロに入りました。本当にお世話になったヤクルトの関係者の皆さんにチャンスを与えてもらって、プロ野球に入り、そしてなかなかいい選手として活躍することができずに引退することになりました。体を壊したこともありましたけど、1人前になれなかった思いというものを持って、野球を何とか伝えたいというに思ってやってまいりました。

そんな自分にですね、日本ハム本社の皆さん含めて球団の皆さん、ほんの一握りの方が僕の可能性を信じて、チャンスを与えてくださった。それが実は今につながっていて、ファイターズの選手、そして、ジャパンで戦った選手だけではなくて、相手チームの選手もそうですし、全ての野球人の皆さんのおかげで、いまだに野球の世界にいることができています。本当に感謝しかありません。そんな時に殿堂入りの話を今回、聞いたわけですけど、正直自分みたいな人間がそこに入っていいのかっていうのは、すごく思いとしてはいまだにあります。ただ、たぶん、この賞というのはこれからの野球人のためにしっかり働きなさいという、そういうふうな思いだというふうに思っています。それともう1つ、僕みたいに本当にダメだったような選手でも、周りの思いだったり、周りの努力によってですね、こんなに長く野球ができるということも実感しております。

やっぱり才能ということではなくて、多くの野球への思いが1人1人かなり大きなものを作り出すことができるということを実感しています。ですから、これからその側に回ってですね、1人でも多く野球に感謝して、野球を広めてもらって、さらに野球の伝道師となる、そういう若い人たちに対して、自分のできることを精いっぱいこれからやっていきたいと思います。ここにいらっしゃる皆さんにまずは本当に感謝ですし、応援してくださった、そして思いを寄せてくださった、そして、いろんなことを教えてくださった大先輩方に本当に感謝しかありません。この感謝を忘れずに、これからも野球のために精いっぱい頑張っていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

◆栗山英樹(くりやま・ひでき)1961年(昭36)4月26日、東京都生まれ。創価高-東京学芸大。83年ドラフト外でヤクルト入団。プロ1年目の秋に両打ち転向、3年目に打率3割。89年に外野手でゴールデングラブ賞。通算494試合、336安打、7本塁打、67打点、打率2割7分9厘。90年に引退後はスポーツキャスター、大学教授などを務め、12年から日本ハム監督。12年リーグ優勝、16年日本一。監督通算684勝は日本ハム最多。21年11月、日本代表監督に就任。23年3月、WBC優勝。現役時は174センチ、72キロ。右投げ両打ち。