ゴルフ記者が酒席で何を語らうかというと、金や健康の話題こそあれ、結局は「ゴルフの話」になる。そのほとんどは取材メモに埋…

第二の松山英樹、石川遼は現れる?

ゴルフ記者が酒席で何を語らうかというと、金や健康の話題こそあれ、結局は「ゴルフの話」になる。そのほとんどは取材メモに埋もれた裏話や、隠れたホンネだ。今回は、そんな座談会の様子をチラ見せ。聞こえてくるのは選手の知られざる一面か、はたまた退屈な戯言か――。男女ツアー全4回に分けてお届けする。(構成 編集部・合田拓斗)

男子ツアー編に参加するのは桂川洋一記者、亀山泰宏記者、服部謙二郎記者の3人。後編はスター選手の共通点や、記者が2026年に注目する選手について。

<男子前編>記者が見た松山英樹の変化 日本ツアーのレベルは落ちたのか

<女子前編>日本女子はなぜ強い? 現場で目撃した努力と消えた幻想

<女子後編>ベテラン記者が唱える「高卒3年目理論」 2026年注目の顔ぶれ

スター選手の共通点

男子ゴルファーといえば松山英樹石川遼――そんな声が挙がって久しい。“ハニカミ王子”として一世を風靡した石川が2007年に達成したプロツアー優勝の最年少記録(15歳245日)は16年後の現在も変わらない。日本人初の「マスターズ」覇者となった松山の偉業も同様だ。第二の松山英樹、石川遼ともいえる、スター選手は出てこないのか?

ゴルフ界を代表する2人は同学年

桂川:ほかの選手との一番の違いは単純で、彼らは“強い”。同じ快挙をしている人がまずいない。

亀山:ジャンボさん(尾崎将司)がなにかのインタビューで「スーパースターは下積みなんてしない」というようなことを言っていた。ジャンボさんもそうだし、石川選手は18歳で賞金王、松山選手も立ち止まっていない。注目されてからの駆け上がり方が尋常じゃない。

桂川:世界ランク1位のスコッティ・シェフラーも、1勝して以降は誰も手がつけられなくなって。

亀山:ロリー・マキロイ(北アイルランド)も早かったですよね。

服部:女子では宮里藍さんとかもそうか。

桂川:中島啓太選手とか、金谷拓実選手ももちろんスピード感はあった。でも、松山選手とかと比べると差がある気はするね。

服部:石川・松山の世代はライバル感もあるね。石川選手が先に名前が売れて、松山選手がどう思っていたかは分からないけど。「負けたくない」って。

桂川:きっと思ってるよ!(笑)

盟友でありライバルでもある金谷拓実(写真左)と中島啓太

服部:いまの世代はライバル感はそこまでないかな。「アイツには絶対負けない」みたいな、あんまり聞いたことない。

亀山:仲は良いですよね。同世代の選手が勝ったら水をかけ合ったり。いいシーンだとは思うけど、松山・石川や、AONの時代にはなかったでしょうね。

服部:そういう意味では、ヒール役もほしいなって思っちゃう。

亀山:AONの復刻会見とか面白すぎますもん(笑)。

桂川:あれは笑った。誰も質問してないんだよ。

亀山:全然仲良しではないんだけど、3人が絡んでるのを見て楽しくなるっていう…

服部:あの世代の人たちは使う言葉も面白い。ジャンボさんとか、翌日の新聞の見出しまで考えて喋っている感じ。

桂川:今の子たちはSNSもあるし、大変だとは思うけどね。

服部:アメリカに行く選手で、「松山なんか、ケッ」っていうのが出てきたら面白くはなりそう。それでちゃんと結果を出して、競り合う選手はスター候補になるかもしれない。

(左から)久常涼、金谷拓実、星野陸也、中島啓太、平田憲聖

桂川:今年PGAツアーで戦う5人(久常涼金谷拓実星野陸也中島啓太平田憲聖)は気概もあるし、それぞれキャラもある。昔アマチュアだった金谷選手に話を聞いたとき、「松山二世じゃダメだと思う」と言っていた。

服部:金谷選手は本当、魂でプレーしているよね。

桂川:もしかしたら、彼が一番“昔の人っぽい”のかもしれない。

服部:スポーツ選手にはそうであってほしいけどね。鼻息荒く、悔しさは全面に出していいと思う。

記者が選ぶ2026年の推し選手

平田憲聖は米男子コーンフェリーツアーを勝ち抜いてきた

服部:俺はやっぱり平田憲聖選手かなあ。あの飛ばし屋だらけの米下部コーンフェリーツアーを勝ち抜くって本当にすごいこと。初めての海外転戦生活、初見のコース相手でも淡々とやっているように見えた。どれだけやってくれるか、結構楽しみ。

亀山:5人中3人(久常、金谷、中島)はナショナルチームでも活躍していたから、平田選手は異色な感じがしますね。

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服部:あとは石川遼選手。フィールドは違えど、また松山選手と同じアメリカで、2人がもがくのが見られる。この年齢でもう一回行くんだって。正直、ファン的な視点もちょっとはあるね。

桂川:来年で35歳。周りが若手ばかりの中、再挑戦はやっぱり簡単ではないけれど、40代で復活して強い姿を見せてくれたのがジャンボさんだった。だから、挑戦で終わらせてほしくないかな。

初の年間タイトルを狙う蝉川泰果

亀山:僕は蝉川泰果選手ですね。スポットで海外ツアーに出てビッグスコアを出せる選手って限られているけど、彼はそれができる。ポテンシャルは間違いないから、(海外に)挑戦する機会が増えるといいなと思う。今年は日本ツアーで、圧倒的な強さを見せてほしい。いまも順調なのかもしれないけど、もっと突き抜けられるって期待している。

久常涼は米ツアー3年目

桂川:僕は久常涼選手かな。今年で米ツアー3年目。去年はプレーオフ進出を逃して悔しかったと思う。彼には独特の雰囲気がある。ものすごい人たらしだけど、金谷選手みたいなアスリート感も。野性感というか。技術ももちろん、100位以内は外さない選手になった。なんとかして、次の壁を越えてほしいなと思う。

亀山:ダブルス戦「チューリッヒクラシック」でペアを組んだ金谷選手がすごく褒めていたのが印象的。「涼があんなにうまいとは」と言っていて。近くでプレーを見るからこそ、よりすごさが分かるのかな。

50歳になったタイガー・ウッズ

桂川:もう一人は、タイガー・ウッズです。過渡期にあるPGAツアーの中で、50歳になったウッズがどう動くか。彼の動き方で、ゴルフ界はきっと大きく変わるから。試合はあまり出ないと思うけど、業界的にはとても大きなピースだと思いますね。

女子ツアー編に続く)