年が明け、育成4年目を迎えたオリックス村上喬一朗捕手(25)は昨秋、2つの答えを用意していた。「言われた方に行くしかない…

年が明け、育成4年目を迎えたオリックス村上喬一朗捕手(25)は昨秋、2つの答えを用意していた。

「言われた方に行くしかないと」。3年目の昨季、夏を過ぎた頃に自らの今後をじっくり考えた。「オフになれば球団から『もう1年お願いします』か、『今年で終わりです』のどちらかで。自分も両方ともの返答を用意していました」。

育成選手の一つの指標は新人から3年目がひとまとまりとして見なされる。3年目の昨夏、心境は複雑だった。「とりあえず毎日次の日のこと考えていて。終わってみたら9月。『どうしよう』と。球団に言われたようにやろうと」。ウエスタン・リーグ公式戦に20試合に出場。48打席に立ち、打率2割、得点圏は3割をマークし、限られたチャンスで9四球を選んだ。

昨秋の契約更改交渉の場で、がむしゃらな練習姿勢を評価された。「3年目で正直終わりかなと」。謙虚な村上だが、周囲の期待が上回った。「もう1年チャンスをいただけた。自分らしくいることが球団も望んでるのかなと。しっかり自分のやることやろうと」。

1年目のオフから、WBC代表候補のオリックスの先輩、若月健矢捕手(30)と自主トレをともにする。柔和な性格の村上が、師と仰ぐ人の1人だ。「特に、裏方さんへの気配りがすごかったんです」。2人で行う練習中の一幕だった。現場に居合わせた人間に若月はペットボトルのお茶を添えて、打撃投手をお願いした。「『お願いします』って一言伝えてお茶を渡していて。目に見えない人たちへの配慮がものすごい方。この3年間、若月さん以外の先輩方やスタッフと関わらせてもらいましたが、自分も気配りは意識するようになりました」。今オフは球団施設で他の選手の練習補助をする姿も目に入る。

「来年はここ一番っていうところで見せたい」と村上。昨秋には右ひじの鏡視下右肘肘頭骨棘(こっきょく)切除術を受け、12月にはキャッチボールを再開。「立場としてやるしかないんで。まずはキャンプで元気に野球をやってる姿を監督、コーチ含めいろいろな人に見せられるように頑張っていきます」。体のキレを増すために、減量して挑む4年目。がむしゃらに2ケタの背番号を奪い取る。