【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬【グラスワンダー】…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【グラスワンダー】
年度代表馬にはなれなかったものの、有馬記念を2回、宝塚記念、朝日杯3歳S(現朝日杯FS)など7つの重賞を制覇しました。無傷の4連勝で朝日杯3歳Sをレコード勝ちしたときは、マルゼンスキーを超える史上最強の3歳馬(現2歳馬)ではないか、と評価する声もありました。
実質的な生産者はアメリカのダービーダンファーム。シャトーゲイやロベルトを生産したほか、ヨーロッパからリボーやシーバードなどの歴史的名馬を輸入したことで知られています。
この牧場は、ロベルトとリボーを組み合わせる配合で多くの名馬を作り出しました。グラスワンダーとその全妹ワンダーアゲイン(Wonder Again/アメリカで芝G1を2勝)以外にも、サンシャインフォーエヴァー、ダイナフォーマー(Dynaformer)、ブライアンズタイム、プレンティオブグレイス(Plenty of Grace)、ソアリングソフトリー(Soaring Softly)、メモリーズオブシルヴァー(Memories of Silver)といった名馬をこの配合パターンから生産しています。
優れた持続力、スタミナ、芝適性がこの配合の長所で、ストライド走法ではなくピッチ走法で走るため、直線の長いコースよりも小回りコースに適性を見せました。グラスワンダーが勝ったGIはいずれも小回りコースで、有馬記念と宝塚記念では長い直線を得意とするスペシャルウィークを破りました。
総合種牡馬ランキングの10位以内に入ったのは一度だけ(08年10位)でしたが、産駒がデビューした04年から15年まで12年連続でJRA重賞を勝ち、スクリーンヒーロー、アーネストリー、セイウンワンダーの3頭がJRAの平地GIウィナーとなりました。
父系はスクリーンヒーローを通じて発展しており、孫のモーリスが活躍中。母の父としてはメイショウマンボ、ヤマカツエース、ダイアナヘイローなどが出ています。
◆血統に関する疑問にズバリ回答!
「2025年の欧州血統シーンで特筆すべきことはありましたか?」
英愛種牡馬ランキングは長らくノーザンダンサー系の天下で、首位に立てない年でも層の厚さで圧倒していました。サドラーズウェルズ、ダンジグ、ストームキャットといったラインからスター種牡馬が次々と現れ、サイアーランキングの上位を賑わせていました。
しかし2025年は、1位ナイトオブサンダー、2位ウートンバセット、3位ドバウィと、ミスタープロスペクター系が金銀銅を独占。上位3位までにノーザンダンサー系が入れなかったのは1985年以来40年ぶりのことです。
ちなみに、ディープインパクトの息子のスタディオブマン、サクソンウォリアーがそれぞれ23位、24位に入っています。ミスタープロスペクター系、ノーザンダンサー系以外の系統で上位50位以内にランクインしているのはこの2頭だけです。