NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン1 第4節(リーグ…

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第4節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年1月11日(日)12:00 三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 (三重県)
三重ホンダヒート 21-45 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

「大事なのは次をどう考えるか」。一つの決断を正解に結び付けるために


三重ホンダヒートのダーウィッド・ケラーマン選手

ハーフタイムでスコアは0-31。強風が吹き続け、時にグラウンドを覆い隠すほどの雪が舞う。選手にとっても、三重ホンダヒートの勝利を願うHEATER(ファンの愛称)にとっても、極めてタフな前半だった。だが、極寒の中での熱狂的な応援に報いるべく、チームは後半に奮起。21-45まで差を縮め、試合終了のホーンを聞いた。その中で最もスタンドに熱を与えたのが、前半はセンター、後半はスタンドオフを務めた“DK”ことダーウィッド・ケラーマンだ。後半22分に西村龍馬のトライを演出し、強風の中でもコンバージョンを3本すべて成功。後半39分には自陣奥深くから“爆走トライ”を決め、一人で11点を叩き出した。

「チームのおかげで自分が輝いただけです。スタンドオフはあまり経験がないですし、周りがサポートしてくれたからできたことです」

称賛の声に対し、“DK”はそう答える。普段はあまり蹴っていないコンバージョンキックについては「レメキ ロマノ ラヴァ選手と『トライのあとにキッカーを決めよう』と話していて、その結果、自分になりました。ゴールに近かったのでそこが良かったです」と謙虚に語った。


カテゴリがAになり日本代表に選ばれる可能性も出てきた

飛躍の理由の一つは、登録区分の変更だ。日本で5年目を迎える今季、カテゴリBからAになり、より柔軟な起用が可能になった。さらに、それは日本代表の資格取得にもつながる。実際、開幕前には日本代表入りを期待される選手の一人に取り上げられた。「もちろん、そのようなコメントが出ているのはうれしいこと。そこにたどり着くところまで頑張らなければいけない。いつか代表にいけたらいいなと思います」と話している。

最後に、どうしても聞いておきたいことがあった。第2節の終了間際、5点を追う攻撃の最中に“DK”が外へボールを蹴り出し、試合を終わらせた場面についてだ。ボーナスポイントの勝ち点1を守るための決断だったが、逆転を期待していた客席はザワついた。「いま、そのときを思い返すと?」と聞くと、“DK”は決意に満ちた表情で答えた。

「映像を見返したときには、違う判断もあったのではないかとも思いました。ただ、すべては過去のことです。大事なのは、それから次をどう考えるかです」

21歳で日本に来た選択。1ポイントを得るための勇気ある判断。すべてを正解に導くために、“DK”は努力を積み重ねていく。

(籠信明)

三重ホンダヒート


三重ホンダヒートのキアラン・クローリー ヘッドコーチ(左)、レメキ ロマノ ラヴァ ゲームキャプテン

三重ホンダヒート
キアラン・クローリー ヘッドコーチ

「自分から申し上げることはあまりありません。前半に関しては、完全な恥さらしだったと思っています。タックルを決めることもできず、ボールをコントロールすることも一切できませんでした。後半、少しは良くなった部分もあったとは思いますが、その時点ですでに試合は決まっていました」

──開幕からの3試合はメンバーを比較的固定していましたが、この試合では宮坂航生選手が初キャップを獲得するなど、いくつかの変化がありました。どのような狙いがありましたか。

「まず宮坂についてですが、実は彼を9番として出場させたかったです。ただ、ベン・ポルトリッジのハムストリングの状態に不安があり、交代を余儀なくされたため、9番として起用することは叶いませんでした。宮坂は試合運びのペースを上げられるプレーヤーだと思っています。その点を評価して今週のメンバーに加えましたが、残念ながら今日はフォワードの後ろでボールをさばくような場面を作ることができませんでした。23名のゲームメンバーについては、私は毎週ベストチームを選んでいます。試合の入りも、試合が終わる段階も、常にベストチームであることを最優先に考えています。その考えの下で今週末を戦いましたが、映像を確認した上で、来週以降に向けて変更を検討する余地はあると思います」

三重ホンダヒート
レメキ ロマノ ラヴァ ゲームキャプテン

「(試合については)ヘッドコーチが言ったとおりです。前半はミスタックルが多く、フィジカルのバトルですべて負けてしまいました。上を目指し、プレーオフトーナメント出場圏内に入るためにも、そこは絶対に必要な部分ですし、ラグビーの基本です。フィジカルのスポーツなので、そこができなければ試合には勝てません。後半はボールをキープできる時間も増え、自分たちのやりたいことは多少できましたが、0-31になった時点で試合は終わっていました」

──今日は宮坂選手が初キャップを獲得しました。同じバックスで、7人制日本代表の後輩でもありますが、どのような選手ですか。

「ミヤ(宮坂)は決め手があるプレーヤーで、何でもできる選手です。足も速いし、ウイングもできるし、スクラムハーフもできる。セブンズ(7人制日本代表)に行って、おそらくそこで自信をつけて帰ってきたと思います。それはプレーにも表れていますし、ボールを持てば何とかしてくれる。横浜キヤノンイーグルスのウイングの日本代表選手(石田吉平)に似ていますね」

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ


クボタスピアーズ船橋・東京ベイのフラン・ルディケ ヘッドコーチ(右)、バーナード・フォーリー ゲームキャプテン

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
フラン・ルディケ ヘッドコーチ

「まずはみなさんこんにちは。重要だと考えていたのは、われわれ自身がもつプロセスの部分でした。その中でしっかり勝ち切ることができたのは良かったですし、選手たちは強いハートをもってハードワークしてくれたと思います。とても興味深い天候の中で、タフな試合になることは分かっていました。その中で80分間集中力を保ち、自分たちがやるべきプレーを遂行できました」

──開幕から4連勝と絶好調ですが、今季のチームの素晴らしい部分はどこですか。

「好調の理由は、試合を重ねるごとに徐々に良くなってきていることです。コベルコ神戸スティーラーズとの開幕戦から、自分たち自身にフォーカスすることに取り組んできましたし、特に基礎的な部分を徹底できるようになってきました。それがチームの勢いをもたらしてくれています。毎週学び、吸収し、改善してきたことが、いまの結果につながっていると思います」

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
バーナード・フォーリー ゲームキャプテン

「こんにちは。本当にハードワークが求められる試合だったと思います。鈴鹿で三重ホンダヒート(以下、三重H)さんと対戦する際は、こうしたタフなバトルになることは分かっていました。われわれはその中で、どれだけチャレンジできるか、マインドの部分をしっかり準備して臨みました。天候への対応も含めてチャレンジになると考えていましたし、三重Hさんは非常に質の高いチームで、良いラグビーをしています。その中で、クボタスピアーズ船橋・東京ベイとして狙っていた試合への入り方ができ、フィジカルやセットピースで優位に立てた点は良かったと思います。とても良い戦いができましたし、お互いに素晴らしいラグビーができたと思います」

──ショーン・スティーブンソン選手の大きく曲げたコンバージョンキックがスタンドを沸かせる場面もありましたし、吹雪のコンディションにうまく適応していました。チームとしてどのように対処しましたか。

「会場に到着したら、まずグラウンドを見てコンディションをチェックします。その上で、自分たちがやりたいプレーを調整しました。特にメインスタンド側に向かって風が吹いている状況では、さまざまな動きを変える必要がありましたが、それをどう強みに変えるかが重要でした。選手の中に明確なプランがあり、それをどれだけ追求して遂行できるかです。自分が合図を出したときにも、選手たちがそれを的確に実行してくれました。それが対応できた理由だと思います。今日のような天候とコンディションでは、フォワードが土台を作ってくれたことが大きかったです。彼らがセットピースで良い仕事をしてくれたことが、チームの大きな助けになりました」