東京・国立競技場などで開催された第104回全国高校サッカー選手権で、茨城県代表の鹿島学園は12日、1980年度に優勝し…

 東京・国立競技場などで開催された第104回全国高校サッカー選手権で、茨城県代表の鹿島学園は12日、1980年度に優勝した古河一以来、県勢として45大会ぶりの決勝に臨んだ。神村学園(鹿児島)に0―3で敗れたが、同校としては過去最高の準優勝だった。県勢の準優勝は56年度の日立一以来69大会ぶり。(古庄暢)

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 史上最多の観客約6万人が競技場を埋め尽くすなか、バックスタンドの鹿島学園応援席もこの日、約1500人の生徒や保護者らが詰めかけ、ピッチにいる選手たちに声援を送り続けた。その声に応えるように選手たちもスタンドをわかせた。

 前半9分にはサイドからのクロスボールにDFの清水朔玖選手(3年)が頭で合わせゴールを狙い、相手PKの場面では身長193センチのGKプムラピー・スリブンヤコ選手(2年)がシュートコースを読み切った好セーブでチームの危機を救うなどモットーの「全員攻撃、全員守備」を体現してみせた。

 ただ、昨夏のインターハイ王者で、今大会の出場チームでも随一の得点力を誇る神村学園の攻撃は強力だった。前半に2本のミドルシュートで2点を失うと、後半もアディショナルタイムに1点を奪われた。鹿島学園も最後まで攻め続けたが、力及ばなかった。

 DFの斉藤空人(そらと)主将(3年)は試合後、「タフネスさも含め神村学園には、すべての面で圧倒された。とても悔しいが、応援して下さる方々がいたからこそ3年ぶりの選手権出場でここまで来られたと思う」と夢舞台で戦った手ごたえを語った。

 この日の試合、鋭いドリブルで相手ゴール前まで切り込むなど、たびたびスタンドをわかせたMF三浦春人選手(3年)の目にも涙はなかった。「今年足りないと感じた部分を、後輩たちには磨き上げて来年の全国大会で優勝を果たして欲しい」と、後輩たちが起こすさらなる旋風に期待をつないでいた。(古庄暢)

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 今年度のサッカー界はプロ、アマチュアを問わず県勢の活躍で「茨城旋風」とも言われる盛り上がりを見せた。

 J1では鹿島アントラーズが9年ぶり9回目の優勝を果たしたほか、J2水戸ホーリーホックも初優勝し、昇格を決めた。新シーズンはJ1で初めて水戸と鹿島が対決する茨城ダービーが実現する。

 大学でも、筑波大学が関東リーグと全日本大学選手権で2冠を達成。高校生年代でも鹿島アントラーズユースが高円宮杯など3つの大会で優勝を飾っていた。

 鹿島学園も今大会、1回戦の新田(愛媛)との対戦を7―0で快勝したのを皮切りに、準決勝までの5試合すべてで先制して試合を優位に進めるなど、Jリーグと大学サッカーの快進撃後もやまない「旋風」ぶりを印象付ける活躍だった。

 鈴木雅人監督は試合終了後、「茨城からの多くの応援が、すごい力と勇気を与えてくれた。この悔しさを次の糧にしたい」と語った。(古庄暢)