NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン2 第3節2026…

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第3節
2026年1月10日(土)14:30 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 24-40 豊田自動織機シャトルズ愛知

揺らぐ終盤にチームを支える。ベテランがもたらした、闘う空気の兆し


NECグリーンロケッツ東葛の大和田立選手。「もう終わったことは変えられない。この経験を、残り11試合に必ず生かす」

NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)は豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)に24対40で敗れた。

「今日は間違いなく、規律の悪さがわれわれの足を引っ張りました」

グレッグ・クーパー ヘッドコーチは、試合後の会見で敗因をそう振り返った。

逆転のチャンスは、確かにあった。

後半12分、S愛知のタレニ・セウにレッドカードが提示され、GR東葛は数的優位を得る。この時点でスコアは24対26。わずか2点差だった。

しかし、ここからクーパー ヘッドコーチの言葉どおり、GR東葛は規律を欠いてしまう。要因の一つが"リーダーの不在"だった。本来のキャプテンであるローリー・アーノルドは開幕から負傷離脱中。バイスキャプテンの亀井亮依も前節のけがで戦列を離れていた。さらに追い打ちをかけるように、後半21分、この試合でゲームキャプテンを務めていたライリー・ホヘパがイエローカードを受け一時退出となり、GR東葛は数的優位すら失ってしまう。

若いチームに動揺が走ったとしても、不思議ではなかった。

それでもラスト10分、GR東葛は"リーダー不在"という現実を覆す兆しを見せる。

33歳のベテラン、大和田立が今季初めてグラウンドに送り出された。

アスリートと呼ばれる人たちは、どの競技においてもオンとオフのギャップが大きいものだ。ただ、大和田はとりわけその振れ幅を強く感じさせる選手でもある。試合後や練習後の取材では、物腰が柔らかく、いつも真摯に言葉を選ぶ。チームでも、グラウンド外では「イジられています」と笑う存在だ。

しかし、一歩グラウンドに足を踏み入れた瞬間、大和田は豹変する。アグレッシブに体をぶつけ、闘志をむき出しにする獰猛なファイターへと姿を変える。

若手時代の大和田は、好不調の波が激しい選手だったという。

「コーチからは『集中してやれ!』とよく言われていました」

そんな彼を変えたのが、10年前の2016年、前身のNECグリーンロケッツでアシスタントコーチを務めていたデーブ・ディロンの言葉だった。

「笛が鳴ってから、鳴り終わるまで集中し続けろ」

その言葉を胸に刻んだ。意識的だったわけではないが、「もしかしたら、オフのときの性格をグラウンドに持ち込まないようにしたのかもしれないですね」と大和田は振り返る。言い換えれば、好不調の波を克服したからこそ、オンとオフの明確なギャップが生まれたのだろう。

「今日みたいに点を取られると、だんだん静かになってしまう。『静かなチーム』と言われることも多いです。でも、僕はプレーし続ければもっと良くなると思っています。リーダーシップを取って、大きな声を出して、少しでもチームにエナジーを与えられるようにやっていきたい」

今季初出場を刻んだベテランは、「もう終わったことは変えられない。この経験を、残り11試合に必ず生かす」と、静かに、しかし強く巻き返しを誓った。

(鈴木潤)

NECグリーンロケッツ東葛


NECグリーンロケッツ東葛のグレッグ・クーパー ヘッドコーチ(右)、ライリー・ホヘパ ゲームキャプテン

NECグリーンロケッツ東葛
グレッグ・クーパー ヘッドコーチ

「まずは、寒い中スタジアムにお越しいただき、大きな声で声援を送ってくださったファンの皆さまに、心から感謝の気持ちを伝えたいです。ありがとうございました。そして、豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)は、われわれに対して強いプレッシャーを掛け、非常に良いパフォーマンスを見せていました。S愛知のみなさんにも、祝福の気持ちを伝えたいと思います。

われわれとしては、もちろん勝ちたいという気持ちでこの試合に臨みました。風下でスタートしましたが、前半40分を終えたハーフタイムの時点では、良い状態に持ち込めていたと感じています。後半は風上となり、立ち上がりですぐにスコアを決めて良いモメンタムを作ることができました。しかし、そこから相手のスコアが続き、4トライ目を奪われた時点で、モメンタムを完全に失ってしまったと感じています。より良いフィニッシュができていたのはS愛知だったと思います。ペナルティの数やシンビンが重なり、今日は間違いなく規律の悪さがわれわれの足を引っ張りました。シーズン開幕からここまでは、リーグの中でもペナルティが最も少ないチームとして戦ってきましたし、その規律の良さをNECグリーンロケッツ東葛の一つの強みとしてきました。ただ、今日は残念ながら、その部分が結果に大きく影響したと感じています。S愛知のような良いチームは、相手の規律の乱れをうまく利用して流れを引き寄せる力があります。今日は、まさにそれをやられた試合だったと思います」

──ポジティブな材料として、ニック・フィップス選手が復帰しました。彼の存在はチームにどのような影響をもたらすと感じていますか。

「ニック(・フィップス)は非常にポジティブな選手で、そのエネルギーをチームに持ち込んでくれます。また、選手としての経験も非常に豊富で、その経験を生かしてチームに貢献してくれていると感じています。今日の試合まで、ニックはリハビリ期間にあったため、十分なゲームタイムを積めないまま復帰戦を迎える形となりました。それでも、彼が再びピッチに戻ってくる姿を見ることができて、本当に良かったと思っています。まとめると、ニックは自分の経験とエナジーを使ってチームを鼓舞してくれる選手であり、非常に素晴らしいリーダーです」

NECグリーンロケッツ東葛
ライリー・ホヘパ ゲームキャプテン

「(グレッグ・)クーパー ヘッドコーチが先ほど話していましたが、まずはスタジアムに足を運んでくださったファンの皆さまに感謝の気持ちを伝えたいです。あれだけ大きな声で声援を送ってもらえることは、間違いなく選手の力になりますし、特にグラウンドの中では、その力を強く感じます。ホストゲームでは、なおさらそのありがたみを感じています。

今日の試合については、瞬間、瞬間でのプレーがカギになったと感じています。その良い瞬間を十分に積み重ねることができず、結果として相手に流れを渡してしまいました。風下で戦った前半40分間は、しっかりとハードワークができていたと思いますし、後半の立ち上がりにはトライも奪うことができました。その時点までは、流れや状態も決して悪くなかったと思います。ただ、その後の瞬間、瞬間で流れを失ってしまう場面が多くありました。まずは、目の前で起きていること一つひとつに集中することができれば、必ず結果につなげることができると感じています。今日は規律の悪さが、自分たちの足を引っ張った試合でした。それも、先ほど話した瞬間、瞬間という部分につながってくると思います。

前回の花園近鉄ライナーズ戦、そして今日のS愛知戦も、自分たち自身を敵に回してしまったような試合だったと感じています。それをどう解決していくのか。その答えは、いまの時点ではまだ明確には見えていません。ただ、コーチと選手が一丸となって、この先の数週間でハードワークを重ね、シーズンを良い軌道に戻すことを約束します。『COMPETE TO WIN』というスローガンを掲げて戦っている以上、次の2〜3週間は、次の試合に勝つことにしっかりフォーカスし、その結果をピッチの上で示したいと思います」

──フィップス選手とホヘパ選手が9番と10番を組むことで、グラウンドにはどのような変化が生まれると感じていますか。

「ニックは、経験、エナジー、リーダーシップを兼ね備えた非常に良い選手だと感じています。個人的には、自分とニックは試合の見方、ラグビーの捉え方が似ているとも感じているので、一緒にプレーできることをとても楽しみにしています。彼はキック、ディフェンス、パスのいずれも高いレベルにありますし、何よりエナジーがあります。必ずチームにプラスの要素をもたらしてくれる選手だと思います」

豊田自動織機シャトルズ愛知


豊田自動織機シャトルズ愛知の徳野洋一ヘッドコーチ(右)、中野豪 共同キャプテン

豊田自動織機シャトルズ愛知
徳野洋一ヘッドコーチ

「あらためまして、皆さま、明けましておめでとうございます。新年最初の試合として、NECグリーンロケッツ東葛さんの素晴らしいグラウンドと施設、そしてファンの皆さまの前で試合ができたことを、チームを代表してお礼申し上げます。ありがとうございます。

試合内容としては、まず勝ち点を獲得できたことについて、選手たちの努力に感謝したいと思います。強風が吹く難しいコンディションの中での試合でしたし、レッドカードが出て14人で戦う時間が約20分間ありました。そのような厳しい状況の中でも勝利をつかめたことは、非常に良かったと思っています。本日はありがとうございました」

──強風の中で、前半は追い風、後半は向かい風でした。試合プランにおいて風を意識した点や、変更した点があれば教えてください。

「非常に強い風でしたので、前半は風上ということもあり、しっかりとテリトリーを取りながらスコアしていくことにフォーカスしました。ただ、前半はテリトリーこそ取れたものの、なかなかスコアにつなげることができず、想定していたプランとは少し違う展開になりました。後半は風下になったため、ボールポゼッションを高めながら、少しずつゲインラインを突破していく形に切り替え、プランを立て直しました。その中で選手たちが我慢強くプレーしてくれた結果、後半は少しずつ点差を広げることができたと思います」

豊田自動織機シャトルズ愛知
中野豪 共同キャプテン

「試合としては、前半は風上でエリアを取りながらプレーしましたが、なかなかスコアにつなげることができず、5点差で終わってしまいました。チームとしては、あまり良い流れとは言えない中でレッドカードが出てしまい、非常に厳しい状況でした。それでも後半20分まで我慢強くチームとして戦えたからこそ、試合終盤にかけて点差を広げることができたと思います。花園近鉄ライナーズ戦でも似た展開がありましたが、その試合では突き放されてしまいました。今回はチームとして9番、10番がしっかりとゲームをコントロールし、我慢強く戦えたことが勝利につながったと思います」

──後半はエリアが取りづらい中でも、ボールを動かし、バックスを中心にテンポの良いアタッキングラグビーができていたように見えました。振り返っていかがですか。

「バックスとしては、スペース自体は空いていましたが、前半はそこにうまくボールを運べていませんでした。後半は、どうやってそのスペースにボールを運ぶかという点をしっかり修正できたことが、良かった点だと思います」