NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン3 第3節2026…

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第3節
2026年1月10日(土)12:00 足利市総合運動場陸上競技場 (栃木県)
狭山セコムラガッツ 70-3 ヤクルトレビンズ戸田

積み重ねたプロセスが、試合で牙をむく。結果で応えた二つの“軸”


狭山セコムラガッツのフェトゥカモカモ・ダグラス バイスキャプテン

「(二人が)クイックボールでアタックするチャンスを増やすことが、相手へのプレッシャーになる」

狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)のゲームキャプテンを務めたフェトゥカモカモ・ダグラスは、3トライを挙げたチェイス・ティアティアと、前節に続いてプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いたダニエル・ウェイトが起点となる攻撃の強さをあらためて実感していた。


狭山セコムラガッツのダニエル・ウェイト選手(左)、チェイス・ティアティア選手

特にウェイトは、2トライ、6ゴール、2ペナルティゴールと、一人で28得点をマーク。練習取材時は軽めの調整で、試合当日は右脚の太ももから足首付近までテーピングを巻いていた。その姿を見て、万全な状態ではないのかもしれないと感じたが、そんな浅はかな予測を打ち破る強固なゲームコンダクターぶりを見せつけた。試合後、右脚について聞いてみると「テーピングをしているのは、見た目を意識してのもの。状態はすごくいいですよ」と、笑顔で筆者の肩をたたき答えた。

現在、狭山RGは新スタジアム建設のため練習拠点が使用できず、狭山市内の別グラウンドで練習を行っている。ラグビー専用ではないため、ポールが設置されておらず、ゴールキックの練習は試合前の練習のときに限られるという。そんな中で正確無比なキックを見せられるのはなぜか。本人は、「小さいころからキックに関するプロセスをやり続けている。それを遂行しているだけなので、不安はない。練習があまりできていない状態でもベストなパフォーマンスを出せます」と力を込めた。

一方、開幕から2試合、ややミスが目立ち、“らしさ”を欠いていたティアティア。この試合では突破力と素早いパスワークという持ち味を存分に発揮した。「ここ2試合もいつもどおりプレーしていましたが、プラスアルファの部分がうまくいきませんでした。今日の試合も何かを変えたわけではなく、いつもどおりのプレーをして、みんなが良い活躍をしてくれたので、自分の見せ場も多くなったと思います」と本人。どれだけ自分の活躍があっても、周りを立てる謙虚な性格は、彼の魅力でもある。

次戦に向けて、「コーチ陣が作り上げた作戦を遂行すれば結果は出るはず」と声をそろえた二人。今季のD3優勝、そしてD2昇格という悲願を達成するためには、献身さが光るウェイトとティアティアの活躍は欠かせないものとなる。

(松野友克)

狭山セコムラガッツ


狭山セコムラガッツのスコット・ピアス ヘッドコーチ(右)、フェトゥカモカモ・ダグラス バイスキャプテン

狭山セコムラガッツ
スコット・ピアス ヘッドコーチ

「前節のルリーロ福岡(以下、LR福岡)戦の試合後会見で、ペナルティの多さについて話をしました。ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)も同じように、ペナルティの多さに問題があったかと思います。それがパフォーマンスにもすごく影響があると思いましたので、規律については話をしてきました。その中で今日は前半からペナルティも少なく、ボールもキープしていました。プレッシャーもキープしやすかったです。後半は互いにけが人が出るなど、ペナルティも多くなってしまった部分はありました。僕たちとL戸田は、年間で5試合以上試合をしているので、互いに強み、弱みも分かっています。今日の結果だけを見れば、いまのそれぞれの練習環境などの影響も出ているような気もしますが、L戸田には経験のある選手も多いですし、けがをしている選手が戻ってくれば、パフォーマンスは良くなると思います。僕たちにとっては、今日の規律がしっかりとキープできれば、まだまだ優勝するチャンスはあると思います」

──リーグワンでの70得点はチーム最多の記録になりました。攻撃がうまく機能した大きな要因は何だと思われますか。

「L戸田はテンポの良いラグビーをやりながらプレッシャーを掛けていましたが、最後にスコアを取り切れない部分がありました。僕たちも完璧ではなかったですが、悪くはありませんでした。セットピースのあとの3プレーはフォーカスポイントだったので、そこでのラックスピードはうまくいきました。僕がヘッドコーチに就任してから一番いい形だったと思います。相手のディフェンスを見ても分かるように、下がりながらあまり出られない状況だったので、ゲインラインはコントロールしやすかったと思います。それでも、まだまだレベルアップできるフォーカスポイントはあるので、そこは来週から詰めていければと考えています」

狭山セコムラガッツ
フェトゥカモカモ・ダグラス バイスキャプテン

「まずは運営スタッフの方々に対して、試合の準備をしてくれたことに感謝いたします。また、ここでラグビーができたことに感謝します。

試合に関してはスコアを見ると、だいぶ優位に働いたかなと思います。スコッティー(スコット・ピアス ヘッドコーチ)が言ったように、プレッシャーもキープもしやすい状況を作れたのが、今日の試合で大きなものをもたらしてくれました。チーム内でしっかりとリーダーシップを取ってやってきたことが、うまくいったかなと思います。選手にはコーチングスタッフが立ててくれた作戦を遂行する責任があったので、そこもうまくいったと思います。

LR福岡戦後に『セットピースを向上させなければいけない』という話もあった中で、今日のスクラム、ラインアウトというのは完璧ではないですけれどもうまくいった部分はありますし、満足のいくゲームプランが遂行できたと思います。また、ダニエル・ウェイト、チェイス・ティアティアがクイックボールでアタックする機会を増やすことで、相手のプレッシャーになるということをあらためて感じました。今後の課題としては、キックオフレシーブのところかなと思います」

──ここ2試合とは違い、ペナルティも少なくチーム全体の一体感も出ていたと思います。プレーの中で、いい感触は得られていましたか。

「今日、突然こうなったわけではなく、月曜日から毎日、今日の試合に向けての作戦を作っていただいて、それをこなす中での日々の成長が見えたかなと思います。ラインアウトについても、ディフェンスについてもそれぞれのリーダーが責任をもってやってくれたことが大きかったと思います」

ヤクルトレビンズ戸田


ヤクルトレビンズ戸田の河野嵩史ヘッドコーチ(左)、占部航典ゲームキャプテン

ヤクルトレビンズ戸田
河野嵩史ヘッドコーチ

「まずは狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)さん、ありがとうございました。そして素晴らしい会場、準備をしていただいた皆さまありがとうございました。ファンの皆さまには申し訳ないのですが、完敗かなと思っています。自分たちがやるべきことをやり切れないまま、80分が終わってしまったなというところで、もう1回、スタッフ、選手が前を向いて修正して、次の試合につなげていけたらなと考えています」

──一方的な展開になってしまいましたが、ペナルティの多さがその大きな要因となったと考えられていますでしょうか。

「そうですね。狭山RGさんにゲインラインを切られてしまったことによるペナルティが多かったと思います。われわれとしては、開幕戦からここまでペナルティが多かったので、減らしていこうと取り組んではいるものの、今日はゲインされてしまったところでペナルティを冒してしまったと思います。そこは、次戦に向けて修正していきたいなと思っています」

ヤクルトレビンズ戸田
占部航典ゲームキャプテン

「僕もほとんど河野さんと同じですが、やはり自分たちの時間を作れなかったのが、一番の敗因だと思います。そこで狭山RGさんに時間を作られたというのが、今回の敗因になり、点数の差だと思うので、そこが課題かなと思います」

──今日の結果を踏まえて、次節に向けての改善ポイントはどのような部分にあると考えていますか?

「今回、この点差で負けてしまいましたが、僕たちは前を向いてやっていくしかないと思います。次もマツダスカイアクティブズ広島さんという強い相手との試合になるので、しっかり自分たちで修正して、自分たちの時間を増やし、自分たちのラグビーをする。その点にフォーカスしていきたいなと思っています」