NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン1 第4節(リーグ…

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第4節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年1月10日(土)14:30 ミクニワールドスタジアム北九州 (福岡県)
トヨタヴェルブリッツ 29-37 リコーブラックラムズ東京

「若手の多さは関係ない」。数的有利を生かせなかったトヨタV、この敗戦とどう向き合うか


トヨタヴェルブリッツの茂野海人選手。「無理にミスを取り返そうとしたり孤立したりしないで、チームとして規律を守れるようにしていかないといけないと感じていた」

このショッキングな敗戦とどう向き合うのか。トヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)が大きな岐路に立たされている。

風上の前半は悪くなかった。今季初出場の茂野海人は、素早いパスでリズムを生み出し、ピンチでは抜け出した相手を懸命に追い掛けて失点を阻止するタックルを決めるなど活躍。それでも「個人として良いプレーをしたと言われてもチームが勝利できなかったので」と唇をかんだ。

19点のリードで迎えた後半にトヨタVは奈落の底に突き落とされた。開始6分で1トライ1ゴールこそ返されたが、その直後、リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)が立て続けに二枚のイエローカードを受け15人対13人と数的有利な状況となった。ここで点差を広げることができれば再びリズムをつかめる。誰もがそう感じた。

しかし、ボールを支配したのはBR東京。トヨタVは得点どころかペナルティを重ね失点するありさまだった。茂野は言う。「ペナルティやミスを取り返そうとし過ぎて、またペナルティをしてしまう。無理にミスを取り返そうとしたり孤立したりしないで、チームとして規律を守れるようにしていかないといけないと感じていた」。その数的有利の時間帯に茂野は交代。状況は変わらなかった。

この試合のトヨタVはアーロン・スミスや松田力也といった主力の多くを休ませて、代わりにファーストキャップを含めた経験の少ない若手を多く出場させていた。スティーブ・ハンセン ヘッドコーチは「未来への投資だった」と意図を語ったが、ある意味、賭けに失敗した形となった。

「若手が多かったというのは関係ないと思います。やっぱり個人に走り過ぎてチームとして動けなかった。自分としてはやり過ぎないように、自分を出し過ぎないようにチームプレーをやっていたんですけど」と、茂野はチームを引っ張り切れなかったことを悔いた。

もちろん個人の能力は必要だが、それだけでは勝てないのがラグビーというチームスポーツの奥深さ。この大逆転負けから何を学びどう生かすのか。古豪復活の道は山あり谷ありだ。

(斎藤孝一)

トヨタヴェルブリッツ


トヨタヴェルブリッツのスティーブ・ハンセン ヘッドコーチ(左)、姫野和樹キャプテン

トヨタヴェルブリッツ
スティーブ・ハンセン ヘッドコーチ

「前半の内容には満足していますが、後半の時間帯にはやや残念な部分があり、自分たちのプレーの仕方を見失ってしまったと感じています。特に15人対13人という状況で、プレーしようとし過ぎた結果、ペナルティを与えてしまうなど、規律の面で問題がありました。ただ、人生もラグビーも、こうした学びをいかに次につなげていくかが大切だと思っています。今回の経験をチームの成長につなげていきたいです」

──後半に得点を奪えなかった点についてどう感じていますか。

「後半に得点する力が低いというよりも、試合の中の重要な局面でスコアし切れていないことが課題だと考えています。80分間をとおして、一貫した集中力を保ち続けることがチームの課題です。この試合でも、連続したエラーが相手のトライにつながってしまいました。スキル面やチームとしての連係、そして勝ちたい気持ちが強過ぎるがゆえに無理なプレーを選択したり、個々でプレーしてしまったりする点に課題があります。厳しい状況ではありますが、その中でもフラストレーションに負けず、成長につなげられるかが重要だと考えています」

トヨタヴェルブリッツ
姫野和樹キャプテン

「前半は素晴らしい戦いができましたが、後半は自分たちで自分たちの首を絞めてしまいました。プレッシャーの中で個々のプレーに走ってしまい、自分たちのラグビーを見失ってしまったことで、相手にずっと流れを握られてしまったと思います」

──ペナルティが続いた要因についてどう感じていますか。

「ハドルの中での声掛けや、同じイメージを共有するための正しいメッセージは伝えられていたと思います。ただ、その中でも個々のプレーに走ってしまい、修正できなかったという点がありました。何か新しいアプローチを加える必要があるのかもしれません。現時点では、どう改善すればよいか明確な答えは見えていませんが、結果として連係を失った状態で戦ってしまった以上、何らかのアクションが必要ですし、必ず改善していきたいと思います」

リコーブラックラムズ東京


リコーブラックラムズ東京のタンバイ・マットソン ヘッドコーチ(右)、TJ・ペレナラ キャプテン

リコーブラックラムズ東京
タンバイ・マットソン ヘッドコーチ

「ビジターで勝利をつかむことは、私たちにとって非常に重要でした。後半はチームのスピリットや、決してあきらめない姿勢を示すことができたと思いますし、その点を本当に誇りに思っています。これまでほかのチームとの対戦でも、ハーフタイムであれほど点差(19点差)が開きながら、勝ち切れなかった試合が何度もありました。私たちはより高みを目指しているチームですので、月曜日にしっかりレビューしたいと思います。前半には改善すべき点が多くありましたが、その中でも後半は良い反撃ができたと感じています」

──順位の近い相手に勝点を与えなかったことについて。

「まずは勝つことが、私たちにとって何より大切です。現在は2勝2敗のチームがほかにもいて、その中でボーナスポイントは非常に重要になってくると認識しています。とにかく勝利を目指していますし、その上で相手にボーナスポイントを与えなかったことは、5月に向けて大きな意味をもつと思っています」

リコーブラックラムズ東京
TJ・ペレナラ キャプテン

「後半は自分たちらしい戦いができました。前半は自分たちに余計なプレッシャーを掛けてしまったので、その点はレビューが必要だと思います。ハーフタイムの時点で19点差をつけられて、普通であればなかなか勝つことはできません。そこから勝ち切れたことで、得られるものは多いと思います。そのポジティブな部分をもって次に進みたいですし、同時に、できるだけそういった状況に陥らないようにしていきたいですね。チームとしては非常に良いエナジーを感じました。チャレンジする姿勢は良かったですが、まだまだ改善すべき点は多くあります。月曜日にしっかりとレビューを行い、(次節の)コベルコ神戸スティーラーズ戦に向けて良い準備をしたいと思います」

──13人になったときのコミュニケーションについて振り返っていただけますか。

「フォワードにかなり頼りました。パディー(・ライアン)がスクラムに入り、非常に自信を感じていましたし、その時間帯にいくつかスクラムがありましたが、フォワード陣がしっかりとペナルティを獲得してくれました。あれは本当に大きかったです。スクラムには1分ほど掛かりますし、そこからペナルティを得るとディシジョンまでさらに30秒ほどかかり、もう一度スクラムになる。そうやってうまく時間をコントロールできました。バックスとしては、フォワードにビールを奢らないといけませんね」