<大相撲初場所>◇2日目◇12日◇東京・両国国技館大関経験者で東前頭16枚目の朝乃山(31=高砂)が、545日ぶりに幕内…

<大相撲初場所>◇2日目◇12日◇東京・両国国技館

大関経験者で東前頭16枚目の朝乃山(31=高砂)が、545日ぶりに幕内力士として白星を挙げた。互いに十両だった先場所の初日に敗れていた、新入幕の羽出山に雪辱し、今場所初白星。相手の突き、押しに上体をのけぞらせても、構わず前に出て距離を詰め、最後は体を預けて寄り倒した。「内容は、前に出るいい相撲だったと思う。とりあえず初日が出たけど、ホッとしている部分はない」と、気を引き締め直していた。

幕内力士として最後に白星を挙げていたのは、左膝前十字靱帯(じんたい)断裂などの大けがを負って敗れる前日の24年7月16日だった。名古屋場所3日目の美ノ海戦。それ以来、約1年半、9場所ぶりの幕内力士としての白星だった。勝ち名乗りを受け、幕内力士の象徴ともいえる懸賞を9本受け取った。「十両と一緒ではあるけど、お客さんの数も多い中で勝ち名乗りを受ける幸せを感じた」と、白星の余韻が続いたという。

前日11日の初日は、初顔合わせの欧勝海に敗れていた。初日も終始前に出て攻勢だった。物言いもついた。それでも相手に挙がっていた行司軍配が、覆ることはなかった。その前日の取組後は「負けはしたけど前に出られた。内容は悪くない」と、状態の良さを実感していた。故郷富山県を象徴する、立山連峰が描かれた化粧まわしを着けた土俵入りでは、初日も2日目も大歓声が起きた。朝乃山も前日の取組後に「一段と歓声が大きく感じたし、それもうれしかった」と、背中を押してもらったと感謝した。期待に応えたい思いが、一段と強まっていた。

この日は同時期に大関を務めた湊川親方(元大関貴景勝)が、NHKのテレビ解説を務めていた。それは朝乃山も確認済みだったといい「一緒に大関をしていた時期もある湊川親方に、解説をしていただいてうれしい」といい、楽しみにしていたという。同時に「世代交代が進んで、若い力士との対戦が増えた。でも、若手に負けないよう、いい相撲を取っていきたい」と、貪欲に内容を求める姿勢は、ベテランと呼ばれるようになった今も、若手のころも変わらない。まずは1勝1敗と星を五分に戻し「ここから勢いに乗っていきたい」と、この日からの連勝街道を思い描いていた。